5章構成になっているけれど、実質的には5つの連作短編集。
最終章は、それまでの話がキーパーソンの視点からになっている。
内容的には、第一章から第四章が第五章の長いプロローグと言えるかも。
ファンタジックでユニークな設定は良かったけれど、物語はどれもイマイチ。
メーンストーリとなる第五章だけでも、もうちょっと何とかなっていたら良かったのに。。
こういう構成の場合、説明文などがその度に書かれる場合が多いけれど、それが無かったのは素晴らしい。
2023.8.12
講談社
5章構成になっているけれど、実質的には5つの連作短編集。
最終章は、それまでの話がキーパーソンの視点からになっている。
内容的には、第一章から第四章が第五章の長いプロローグと言えるかも。
ファンタジックでユニークな設定は良かったけれど、物語はどれもイマイチ。
メーンストーリとなる第五章だけでも、もうちょっと何とかなっていたら良かったのに。。
こういう構成の場合、説明文などがその度に書かれる場合が多いけれど、それが無かったのは素晴らしい。
2023.8.12
講談社
辻堂ゆめ作品の中では一番でした。
オカルチックでファンタジックな第一部と、その回答編のような第2部にプロローグ(第一部の最後の場面なので無い方が良いと思った)とエピローグが加わった構成。
第2部はタイトルに通じているだけでなく、終盤になるとミステリの謎解きの要素まで入ってくる。
女子高生が何度も夜中に一人で出歩くというのが現実的では無いものの、1冊で色々楽しめる作品。
そして、あれもこれも伏線だったと驚かされる。
「何一つ最後までやり通したことが無い」と母に思われている咲子だから、詩は遺作として完成していて欲しかったかな。。
2024.4.25
中央公論新社
前書きに寄れば、映画「もっとあぶない刑事」と「あぶない刑事リターンズ」の中間の物語らしい。
と言われても、一番最初のシリーズで当時勤めていた会社が事件の舞台で登場する回を見ただけなので良く分からないけれど・・・。
テレビ(映画?)の台本のように場面がどんどん切り替わり、細かい動作の描写とセリフで物語が進んでいくので、絵が浮かぶときは良いけれどさもないとついて行けない。
でもストーリは把握できるし、テンポの良い流れに乗ってしまえばさらっと読めてしまう。
ただ銃や車の名前が一々固有名詞で書かれているので、すぐには何か分からない。
(もちろん銃や車に詳しい人は大丈夫だけど・・・。)
2024.3.29
講談社
一言で言えば、上手く行ってなかった嫁と姑が最後には何とか上手くやれるようになるというありきたりな内容の物語だけど、なかなか凝った展開で結末はほぼ分かっていながらも最後まで面白く読めた。
凛子さんが色んな国の調理を作れる理由や彼女の友人達との繋がりの背景なんかも設定がきちんとできていて違和感が無かった。
叶が良い子で良かったけれど、凛子さんと叶はこの先どうなるのか・・・。
2022.10.5
小学館
棒高跳びがテーマの物語。
額賀澪はこういう小説を本当に上手く書く。
キャラ設定は申し分ないし、それを生かしたストーリも良い。
翠と陸の絡みをもっと多くして、もう少し長くしてもらった方が読み応えが有ったかな。
セクションが変わるたび主人公が代わっていくけれど、だれの目線で語られているのはすくには分からずちょっと読みにくかった。
次は是非ローイング(ボート競技)を取り上げて欲しい。
「物理学に促されて」は「物理法則に従って」ですね。
2024.2.29
光文社
町田そのこのデビュー作らしい短編集。
良く有るように、登場人物が微妙に重なっていたり、ある話が別の話の後日譚や前日譚になっていたり。
内容は可もなく不可もなし・・・といったところ。
2017.8.20
新潮社
ミステリって言って良いのか、とりあえず犯人捜しと言うか真相解明の話。
ただ、人形が自分の意志でしゃべったり動いたりというような設定が入ると、もう何でもありの世界になるからミステリ要素のあるファンタジかな。
この結末ではミステリとしてはズルいけれど、ファンタジなら許せる感じ。
ストーリ展開は面白いんだけど、現在の事件の捜査と過去の話が交互に語られる構成が気に食わない。
最初に過去の話になったところからはずっとそのまま続けて欲しかった。
文楽の話と言えば、三浦しをんの「仏果を得ず」と岡本貴也の「竹本義太夫伝 ハル、色」を読んだけれど、これを含めて三大文楽作品とします(笑)。
2014.10.25
早川書房
短編小説と言うかショートショートと言うかと言った感じの小説集。
ファンタジックでシュールな感じな作品が多い。
微妙に登場人物が重なっていたりするけれど、統一感は無い。
2016.12.10
中央公論新社
「川崎警察下流域」の続編。
前作ほどは面白くなかった。
ただ、前作で感じた聞き込みの時の車谷のため口が無くなっていたのは良かった。
単純な事件だったのが、どんどん複雑な背景が明らかになって大きくなっていくのはスリリングで良かったけれど、途中経過が省かれ突然真実にたどり着いてしまうのは香納諒一に良くあるパターン。
2024.4.30
徳間書店
他人との距離が上手くつかめなくて、失敗した女性ばかりが集まって一緒に暮らす物語。
ラストに繋げるためだと分かっているけれど、彼女たちの状況はみんなひどすぎ。
「52ヘルツのクジラたち」もそうだったけれど、容赦ない。
なにもそこまでしなくても・・・。
「夜明けのはざま」でも感じたけれど、「」の使い方が適切じゃないので実際にしゃべったのか思っただけなのかすぐに理解できないところが多い。
また途中でセリフがすべて「」でなく『』になる箇所が有るけれど、何か意味があったのか?
2021.10.25
中央公論新社
短編小説集。
益田ミリはエッセイしか読んだこと無かったけれど、前半の作品はそこから勝手に想像していた作風とは全く違っていた。
打って変わって後半は私が思っていた感じに近かったかな。
特に最後の2作は私が益田ミリに期待した通りの内容で良かった。
次の日、野島さんが出社したのか気になる。。。
2013.7.15
講談社
いつものお気軽エッセイかと思ったら全く違って、茶道を習うことになった著者の体験記。
お茶のことも着物のこともさっぱり分からないけれど、茶道と言うものがとても面倒なものだと言うことが良く分かった。
その上、甘いお菓子が嫌いな私には縁のない世界。
全てが興味の無い内容だったけれど、群ようこの文章の面白さで最後まで読んでしまった。
2024.3.25
KADOKAWA
中国に攻撃された宮古島を舞台に人民解放軍と自衛隊の戦いが始まる。
周到な準備で、次々と攻撃を仕掛ける中国に対し、後手後手に回ってその場しのぎの作戦しかできない日本。
劣勢の中、日本を救ったのは最前線で身を挺して作戦を行った自衛官達。
ストーリは面白いのに、途中で無くても良い組織の説明や登場人物の背景が入るので、物語が中々進まなくてイライラする。
特に前半はどうでも良い説明が長すぎて、本来のストーリが分からなくなるほど・・・。
後半のクライマックスの戦闘シーンはわざと分かりにくく書いているのか、半分しか理解できない。
その上文章がおかしかったり誤字が有ったりという明らかな校正漏れが多すぎで、折角の物語が台無し。
「救急患者X」もそうだったけど、もうちょっと上手くできないのかな。
ひどすぎると言うか悲しすぎる。
だからこそのラストなんだろうけど・・・。
あまりのひどさに読むのが辛かった。
2020.4.25
中央公論新社
途中経過はそれなりに面白く読ませてもらったけれど、そもそも主人公達が事件を解決しようと思い立った動機が弱すぎるので、最後までどうでも良いけど・・・って感じだった。
その上、友人が事件の真相にたどり着いた経緯が全く理解できないし、犯人の動機も全く理解できない。
以前読んだ「時計泥棒と悪人たち」もそうだったけど、長さの割に内容はそれほどでもない。
何となく島田荘司を連想するところが有ったけれど、同じモチーフで彼が書いたら半分の長さでより納得できる作品になってたかも。
2024.3.12
講談社