さざえのつぶやき

音楽活動を中心に、日頃の思ったこと感じたことを日記のように綴っていこうと思います。

3時間660円の史跡散策

2012年05月13日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
今日は、畝傍山周辺を歩き、体調に余裕があれば高取町の市尾駅まで足を伸ばそうと昨夜から計画していた。

12時10分、ウォーキングスタイルで家を出る。 いつもの通勤コースを徒歩で歩き、10分もすると大和三山のひとつ、畝傍山がでん!と見えてくる。



この山の後ろが橿原神宮で、今日はその西側にあるスイセン塚古墳、そして神武天皇陵には行かず、近くのイトクノモリ古墳を目指す。 奈良に住んでて、古墳好きでいまさらと思われるかも知れないが、このふたつ、古墳といっても形がはっきり判らず、何の楽しみもない小山を見るだけなので、今日までずっと無視していた。(苦笑) そう、わざわざ行くこともないだろうみたいな・・・埋葬者のお偉いさん、失礼。

家を出て25分、調べておいた慈明禅寺参道を見つけ、スイセン塚古墳の看板を発見。



だが、話には聞いていたがどこにその古墳があるのか判らない・・・が、長年の古墳ウォッチングで訓練された目で、この丘だろうという場所をみつけた。


看板の後ろはお寺さんのお墓なので、撮影して何か写ってしまったら怖いので違う角度から・・・。立ち入り禁止の看板の後ろの丘が全長69mの前方後円墳である。
ここは昔、第二代・綏靖天皇の陵に比定されていたらしく、そのおかげで未調査のままになっていたため、墳丘がきれいに残っているらしい。スイゼイがなまってスイセンと呼ばれるようになったとか・・・。(発掘してほしい!!)

35年間の心残りをひとつづつ削除するかのように、次は橿原神宮参道側へ向かってイトクノモリ古墳へ。



橿原体育館が見えたら、その向かいの森林へ入っていくと、池田神社(イトクノモリ古墳)の看板があった。



全長30mの小型前方後円墳、おまけに高さ1.2mというから、ようするにこの神社境内全体が古墳なのである。 ここも発掘未調査となっており、1980年に前方部の土を削った際に出土した土器や石器をめぐって学会で論争があったとか。
ここも大昔、第四代 懿徳天皇(いとくてんのう)の墓治定候補地にされていたということで、イトクノモリ古墳となったらしい。 (ここも発掘してほしい!!)

さて、やっぱり石室が見れなきゃ何の面白みもないということで、足は痛いが腰は大丈夫と判断、橿原神宮駅までそのまま歩いた。

市尾駅まで270円の切符を買い、久しぶりの近鉄吉野線。
22歳まで軍人、いやいや吉野郡人だった僕には、このホームが懐かしい。

すぐに電車は来て、岡寺、飛鳥、壷坂寺、そして市尾駅に着き降りた。



ここから行く、市尾墓山古墳と市尾宮塚古墳は初めてではない、それこそ20数年ぶりに行くのだが、20年以上も経つと、当時よりきれいに整備されていたり、逆に自然崩壊していたりするもので、このふたつの古墳は整備されていた。

駅を降りて西北に400m歩いて、天満神社の奥に宮塚古墳がある。



うぐいすがさえずり、森林の冷たく、おいしい空気が体を癒してくれる。
「頼む、頼むから蛇出るなよ!」 足音を強めにたてながら階段を上る・・・。



罰当たりだが、神社には一切興味がない俺・・・(苦笑)
初詣なんかでも、賽銭のことを捨て金だと言う俺・・・(すんませんなあ。)
この神社の右奥に進んでいくと・・・



宮塚古墳・・・全長44mの前方後円墳で、おもしろいことに、石室を覗き込もうとすると、センサーが反応して石棺(棺おけね)がライトアップ!! こんなの昔なかったぞ~(苦笑) 凝灰岩で造られた刳り抜き型の家型石棺で、その床周りには、Y字型の排水溝が掘られている。 これはあの有名な明日香村にある石舞台古墳の床でも見られる。(国指定史跡)

さてさて、足もくたくた、腰もコルセットがあたって痛い・・・最後に向かったのはそこから歩いて5分の側にある市尾墓山古墳。



見事な裸体・・・セクシーな前方後円墳だ。 
6世紀全半の古墳で、宮塚古墳同様、凝灰岩で造られた刳り抜き式家型石棺が残っている。 策の扉が汚れたプラスチック製の覗き窓だったので、撮影しにくかった。
ここも同じく、センサーが反応して内部を照らしてくれる。
この辺りの巨勢氏一族の墓とされる。

以上、4つの前方後円墳を今日は散策出来た。
昔は仲間と、どこまでもこうやって歩いていたのに、大人になってからは車があたりまえ、だから駐車スペースに困って行けない事の方が多かった。

療養中なのに・・・(苦笑) いや、こんな時しかね。 

今日は270円の切符2枚と缶ジュース120円一本の660円しか使っていない。

家に帰ったのが3時半頃だから約3時間で、これだけ好きな時間を過ごせました。

タイム イズ マネー ですな。