さざえのつぶやき

音楽活動を中心に、日頃の思ったこと感じたことを日記のように綴っていこうと思います。

ラジオ出演と石垣りん詩集、そして僕の過去・・・。

2012年08月16日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき

11時10分過ぎに「ならどっとエフエム」のスタジオに着き、Cafeの可愛い女性に番組担当の若杉さんを呼び出してもらった。 「ああ~お久しぶりです~」とアットホームな雰囲気で冷たい麦茶をいただきながら本番前の打ち合わせ・・・番組開始の5分前にスタジオ入りでヘッドホンをすると、なんとなく芸人になったような気分で緊張どころか、ワクワク気分になっていた。8年前の緊張した姿は今どこに・・・番組進行は自分の活動と「ならフォーク村」コンサートの告知を、持ってきたオリジナル音源3曲を挟みながらのオンエア、はずかしながらまた奈良の夏の空を汚してしまいました。(苦笑)

放送終了後、少しビジネスの話をした後、あまりにも暑いので奈良ビブレ地下の啓林堂書店へ涼をとりに入った。 そこで何気なく手にとって読んだ石垣りん詩集。
詩集というものにさほど興味を持たない自分であるが、なぜか家には「中原中也」「まどみちお」両名の詩集だけは数冊ある。あ、「やまだかまち」「岡 真史」もあったな。(苦笑) 石垣りんさんと言えば、中学か高校の時に授業で触れたくらいで、その頃はとんでもないことに、顔写真に落書きをしていた覚えがある・・・(汗)

何気なく開いたページは「屋根」という詩だった。 そして次の頁には「貧乏」・・・難しくないありふれた言葉が運ぶ先に、一瞬にして自分の過去の情景が脳裏に降りてきた。
知らぬ間に溢した涙が本の上に落ちてしまった。


僕は吉野郡大淀町に生まれ育った。 鮎釣りで賑わう吉野川の近くに家はあった。



トタン屋根で二間しかない小さな家だった。 よく近所の子供達がおもしろがって「貧乏、貧乏」と言って石ころを屋根に投げつけるものだから、よく母親が外に飛び出して怒鳴り散らしていた。
雨が降ると、その雨粒の大きさによっては、家の中のテレビの音が消されてしまうし、よく押入れの隅や、台所の隅から雨漏りがしていたのを思い出す。
夜になると、アブラムシ(ゴキブリ)がよく飛び交うし(苦笑)、いつだったか朝起きたらネズミが布団の下敷きになって死んでいたこともあった。 そんなとんでもない家に、親子5人が住んでいたわけで、ただあたりまえの事だが、親父はそれでよしと思って僕達家族とそこに住んでいたわけじゃない、そこには戦争だとか伊勢湾台風といった親父の暗く重い過去が、しがらみがつきまとっていたようだ。 でも貧乏には間違いない暮らしだった。 親父は長距離トラックから土方仕事、大工の手伝い、そして最後にはボロ買い(ようするに現在でいう廃品回収)と収入も安定せず、おまけによく仕事中に大怪我をしてなんどか入院もしていた。 その痛みを抑えるためだとか言っていたが、酒に溺れる毎日が続いた次期もあった。 それは言うまでもなく、貧しさからくるやりきれない思いが、酒と言うものに逃げていただけだ。
酔っ払って帰ってきては、母親と喧嘩になり、母を殴る蹴るの場面をしょっちゅう僕と妹の3人は見ていた。 酷い時には、家に居たら殺されるかもしれないからと、母に手を引かれては、知り合いの家に朝まで泊めてもらったり、行き場が無い時には、駅の宿直室まで借りて寝た記憶がある。 
とにかく、家にはお金が無かった。 米代が払えず、米屋の主人が集金に来るといつも母が「来たらおらんて言うて帰して・・・」と僕らに頼んで、外にあった「ぽっとん便所」に隠れるのである。(苦笑) 電話もよく「お客様の都合により現在・・・」というアナウンスを友達に聴かれては、「ああ、いま調子悪くて修理してもらってるねん」という見えすぎた嘘を毎回つく始末。 そんなだったから、物心ついた頃には、僕も妹も新聞配達を始め、せめて自分達だけは、友達に恥をかきたくないからという理由で、自分の欲しいものは自分達で稼いで買うことを覚えたものだ。 



最初に出来た彼女なんか、家を知られたくないものだから、ずっと教えなかったのに、あるクリスマスの夜、仕事から帰ってきたら「これ、●●さんて女の子が来て、家族で食べてくださいって置いていかはったよ」とクリスマスケーキが届けられていた時は、恥ずかしくて恥ずかしくて、一晩中悔やんだこともあった。 そんな家に住んでいた頃の事を、今でも兄妹が揃うときは苦笑いしながら話す。 「瓦の屋根の家に住みたい」それが兄妹の願いだった。

親父は素面の時は、物静かな「吉本新喜劇」と「8時だよ全員集合」が好きなひょうきんものだった。 近所の友達に電話口で仏壇の鐘を鳴らしてイタズラ電話をかけたり、104番号案内の女性と世間話をしようと企むやっかいものだった。(笑)
ただ、そんな親父にはひとつの疑惑がある。
家によく出入りする親父の友達の中に、やっかいな仲間がいたからだ。
外に便所があるのをいいことに、よくガラスコップに水を入れて、ある道具を持ってそのトイレに行く・・・そう、注射器だ。 子供ながらも何をしているのかは解っていた。
親父が亡くなった後、特定人物の捜査で、家に私服の警察官が2名来たことがあった。
その時、親父の寝ていた側のタンスから器具は見つかった。

・・・嫌だった。

そんな仲間が来る夜に限って、親父は素面で物静かだったし、そんな連中を台所の包丁で殺してやりたいと何度も思ったことがあった。


僕が20歳になった年の夏、親父は酒の飲みすぎで肝硬変となり死んだ。
もちろん、生命保険もかけていなかったわけで、勤め出した会社に無理言って借金をしてなんとか葬式は済ませた。 その後、近所からは「葬式出来たのは、近所のみんなのおかげなんやから、あんたら兄妹は一生、わたしらに頭下げていかなあかんねんで」とまで言われたのもあるが、もともと親父の土地ではなかった事もあって、兄妹で光熱費を出し合えば賃貸でキレイなとこに住めるぞと母親には引越し前日まで知らせず第二の生活がその後始まることになり、大和高田市という街に住むことになる。

電車の中でずっと、そんな頃のことを回想していた。

今では、普通に暮らせることだけでも天国なはずなのに、贅沢を覚えてしまったせいなのか、飽食の時代のせいなのか、ぶくぶく太った情けない醜い自分がいる。

石垣りん詩集・・・この本からそんな懐かしいニオイがしたのだろう、濡らせてしまったものだから、ちゃんとレジに向かい、買ってかえりました。



ちょっと今日のブログはハードだったかな・・・ま、いいか。

久しぶりにラジオ出演します。

2012年08月14日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
そうそう、うっかり忘れるところでした。
明後日の16日(木)お昼の12:00から30分、ラジオ生出演します。
地元「ならどっとエフエム」の中の番組、「ハートフルサウンド」です。


音楽と関わりのあるゲストを招き、3つのキーワードを元に選曲していただきます。そして、曲にまつわるお話や、ゲスト自身のお話をご紹介。いつもあなたのそばに素敵な音楽を・・・。
         DJ 若杉幸代


実は8年前にも同じ番組に出演しまして、今回は自分の活動と「ならフォーク村」について語ろうかと思っています。 またまた奈良の空を汚しますますが、タイムリーに聴けそうな方はひやかしで聴いてやってくださいませ。

    ならどっとFM http://www.nara.fm/ 78.4MHZ

ネギトロ こんにゃく きんぴらごぼう 其の四

2012年08月14日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
一昨日、12日は「良い食品処さとなか」さんで、真ちゃん和ちゃん主催の定例ライブ
「ネギトロ こんにゃく きんぴらごぼう」に出演させてもらった。

まずは、当日のカメラ担当、ケンケンさん、たくさんのナイスショット写真をありがとうございます。



トップバッター こんにゃくこと僕、ながたたかし



ここで歌う時は、いつもそうだが、すごくリラックスして歌える。オーディエンス側の温かい眼差しに囲まれているからだろうか? この日も大きなミスタッチもなく、我ながらうまくこなせたステージだったように思う。

演奏曲目
1.暑中お見舞い申し上げます
2.ひまわり
3.飛鳥の路
4.ブラックコーヒーと黒砂糖
5.好きだよ
6.時の流れるままに

そして きんぴらごぼうこと、真ちゃん和ちゃんのステージ



このおしどり夫婦、いつも完璧な漫才?MCと演奏を以って客席に笑いと涙を誘う・・・まさしく「漫才フォーク!!」 最近は特に冴えているような気がする。

そして最後は ネギトロこと ゾロさん



しばらく会ってない間にお似合いの髭が・・・ここんところ体調を崩しておられ、奥さんの話によるとまだ本調子じゃないらしく、それでも好きな音楽をやめてしまったらそれこそずっと倒れたままになるからねと・・・だがこの日の演奏は、そんな気配が感じられない素晴らしいステージだった。

真ちゃんがMCのネタで、「今日のライブのサブタイトルは、病み上がりの昼下がり」だと笑わせていたが、ほんとこの日の3組は「病み上がり」だったのです。(苦笑)

歌にはいろんな形がある。 プロとアマチュア 「音楽にそんなもんないよ、プロもアマチュアも・・・」といいような言い方をする人がいるが違う、プロとアマチュアは。

仕事だから歌うのがプロ 趣味として仕事の傍ら歌うのがアマチュア、ただそれだけのことだが、アマチュアにも実はいくつもの歌う理由が存在する。

この日、僕は改めてそれを感じた。

「僕は、自分が生きていくために歌っていきたい」

音楽に浸りっぱなしの日

2012年08月05日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
先日、タワーレコードへ、スザンナ・ホフスのニューアルバム「SOMEDAY」を買いに行った。 



53歳とは思えない可愛い顔とキュートな声は、バングルス時代とちっとも変わっていなかった。 アルバム全体的には、非常に聴きやすい軽快なPOPといった感じ。アコースティック感が強いかな。 
このアルバムと一緒にジャケ買いしてしまったCDがある。



シガー・ロス「Valtari(ヴァルタリ)」、アイスランドのバンドで、名前だけは聞いて知っていたが、曲を聴くのは初めて。 なんでも今年のサマソニに出演だとか販売ポップには書いてあったな。 ジャケットがすごく気に入って、アイスランドと言えば、僕の好きなビヨークだし、その系統の音楽かなと思い切っての衝動買い。
それがまた買ってよかった! ロックでもなくPOPでもなく、なんだろう、どちらかと言えば実験的音楽?インスト?に近いかな・・・ほとんどボーカルというか歌らしきものはなく、全曲ゆったりとした、幻想的というほどでもないが、とにかく聴いていてすごく気持ちのいい、ヒーリング効果がある。 たぶん、何回も聴いていくうちに、アルバムの良さが判ってくるのだろう。Webで調べたら、「シガー・ロスの世にも奇妙な映像実験」というものを見つけた。 引用すると「シガー・ロスの世にも奇妙な映像実験』とは、バンドから12人の映画監督や映像ディレクターに同じ予算を渡し、今作を聴いて各自が感じたまま作品を制作してもらうプロジェクト・・・ということで、音楽から自由に映像をイメージした作品がYoutube等でアップされていて面白い。
本来、音楽とはそういうものなんだなと、これを見て思った。 歌詞がなくても、音が綴る空間の中で、聴く者のその時の精神状態や気分で、それぞれの解釈、イメージで受け入れる・・・そういう自然な音楽が僕は好きなのかも知れない。 プログレを時々聴きたくなるのもそういうことからだと思う。 
そうそう、今日買ったこの2枚、最近流行?の紙ジャケ仕様なのだ! 僕はハッキリ言ってこの紙ジャケが憎い!! いいじゃないか!この紙ジャケ!! まるで昔のLPレコード感覚そのものだし、プラスチックじゃなくエコに近いし・・・ただ、昔発売されたCDを再発で紙ジャケにして出すのは悔しい・・・そのために同じものを買い直す余裕もないが、またそこにリマスターだとか、特典DVD付だとかで出されると思わず買いそうになってしまうのだ。 なぜもっと早くからプラスティックケースじゃなく、この紙ジャケ仕様にしてくれなかったんだ!! CDよ、がんばって生き残って欲しいものだ、おまえが世に出たばかりの頃は、LPレコードを抱きしめアンチCD派だったが、今じゃMP3だとかメモリースティックだとか言って、タダで音楽を受け渡しされる時代の中じゃ、僕はCD、おまえの存在が愛しい。 そんなことを考えながら、腰痛を労わりながら一日中、好きなCDを聴きまくっていた一日だった。

一週間が早い・・・

2012年08月02日 | 下手の歌好きソングライターのつぶやき
毎日、暑いというより、あづい・・・ってな感じです。
それでも、仕事は人手が足りなくて忙しく、清涼飲料水、お茶の飲みすぎで毎日お腹がゴロゴロと・・・夏なら夏痩せする人もいるのに、僕は食欲が相変わらず旺盛で、夏でも太る一方ですがな・・・(--; しかしなんですわ~一週間が早い!早すぎ!!このままじゃ60歳もすぐに来るんじゃないかとひとり焦っています。
尾崎 豊も、生きていれば僕と同じ47歳・・・47歳のロックも聴きたかったなあ・・・と思ったりしながら、ネットオークションでまたまたロックアルバムを検索。
でも、今回はフォークの王道というか、女王さま、ジョニ・ミッチェルさまのベストを買っちゃいました。 


映画「いちご白書」の主題曲にもなった「サークルゲーム」をはじめ、「青春の光と影」(Both Side Now)等の代表曲がつまったアルバムで、これは非常においしい一枚。

今夜はこれをLOUDNESSで静かに聴きながら、睡眠に至りたいと思います。

みなさん、夏バテ防止の一番は、なんと言っても睡眠ですよ!!

ではおやすみなさい。