二年前、おかんが死んでから洋間4畳半の俺の部屋を、おかんの部屋だった6畳和室に移した。 もちろん俺の大事な600枚近いCDコレクションもオーディオセットもすべてその部屋に移動したのだが、この部屋には小さな仏壇があって、その仏壇の上には、よくある大きな写真があった。 顔だけがホンモノで首から下が絵の着物だったりするアレね。爺さんの写真はなぜか無く、婆さんと親父とおかんの写真があって、おかんだけが最近のカラー写真仕立て。ただなんていうか、オーディオのすぐ横にその大きな写真が目に入るのが気になってたし、どの顔も悲しげ寂しげな顔なもんだから、仏壇に手を合わす時、なんだか気持ちが暗いまんま。(--; なので思い切ってその大きな額縁写真を取っ払って、昔のフエルアルバムから笑ってる写真を4人分抜き出し、100均で買ってきた小さなフレームの写真立てに換えて仏壇の上に並べてみた。 そしたらさ、なんでもない事やけど、仏壇が明るくなったんよね。 親父も笑ってる、お婆ちゃんも、お爺ちゃんなんか小さな俺を抱き上げてる写真にして、おかんは死ぬ10年以上前の若い顔に換えてやった。 こうすることで、しょっちゅう写真に向かって「おはよ」「ただいま」と呟くようになったし、こまめに線香を立てるようにもなった。 うん、ええこっちゃ。
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