仕事で大切なことは尼崎の小さな本屋で学んだ 川上徹也 著 ポプラ社
東京生まれ東京育ちで本をあまり読んでなかった主人公大森理香が主人公。理香は、東京の私立大学を卒業し、大手の出版取次「大販」の社員になります。研修後、大阪勤務を命じられながら、尼崎で小さな本屋さんを経営されていた小林書店の由美子さんに出会い、「仕事とは何か?」を学びながら少しずつ成長していく物語です。小林書店の店主の由美子さんとご主人の昌弘さんは実在されている本屋さんでした。本屋さんが傘を売り始めた話、由美子さんが本屋を継いだ理由、小林書店の強み、鎌田實先生講演会の話、アマゾンに勝った話、夫昌弘さんの話、本屋にとっての取次の話、泥棒に入られる話の8つの実話のエピソードが小林書店の店主由美子さんの言葉で語られていて、小林書店を舞台にしたノンフィクションの中で、大森理香がヒントをたくさんもらいながら自らの仕事と向き合って奮闘していく様子が上手に絡まりながら描かれていました。仕事をしていく上だけでなく、生きて行く上での大切なことの数々を教えてもらいながら主人公の理香が元気に仕事をしていく様子が頼もしく格好よかったです。信頼と誠実がやはり仕事でも生きていく上でも大切だということを再考しました。