【笑売漫歩記】商売の主導権は握ったが勝ち！

自分化消費が進行して、今どきのお客様は欲しければどんなに高くても買う。一方、欲しくないものはどんなに安くてもタダでも買わないという現象が極端化しています。極端に安くしても、愛想振りまいたとしても買わないものは買わないし、お客様が欲しいと思わなければほとんど売れることはないのです。

これは流通の逆転現象というもので、昔のように需要(買い手)が多く供給(売り手)が少ない時はどんどん売れていましたが、今はどうでしょうか？過剰すぎる供給に対し需要側は腹いっぱいの状態、買い手は慌てて買う必要もなく何を買うにもじっくりと品定めするようになったのです。
大して欲しくない時、商売の主導権はお客様が握ることになり、例えば「もっとまけてくれたら買ってもいいのに」とか「明日、家まで届けてくれたら買ってやる」と言うように、どんどんと追加サービスが要求されてきています。このように主導権をお客様に取られた場合、価格の決定権や商品の手配・発送日を始めとして、売り手側はほとんどのサービスを買い手の要求に合せる必要があります。そこまでしないともう売れることはないのですから。
しかし、お客様がある商品を気に入って何が何でも欲しいと思う時に限り、商売の主導権は買い手から売り手側に移るのです。この場合、売り手はお客様の購買時に１分１秒と即座に対応する必要はなく、価格交渉に応じる必要もない、発送日やサービスなどもこちらサイドで自由に決めることができるのです。なぜならお客様の方から「お願いですからどうか売ってください」と頼み込まれているのですから。

繁昌店では長い行列をつくりお客様は待ち続けるし、「まけろ！」とか「もってこい！」とは決して言いませんよね。しかし仮にこの立場が逆転し、お客様に主導権を握られてしまったら、「お願いですから買ってください」という状況になって、どう頭ひねっても寝る間惜しんで頑張っても売れる筈もない状況となるのです。要は主導権争いが雌雄を決するのです。お分かりいただけましたか。