蝉の鳴き声に急かされMy Pictures開いた訳ではないが旅の目的地以外は交通機関や経路、宿など諸々思い出せない世代?妻に訊ねても同じことだった。全国各地・海外まで毎年出掛けて貴重な時間と高い旅費を掛けたものだが情けなや?デジカメの記録以外夫婦の記憶から何もかも消えかけていた。
『閑さや 岩にしみ入る 蝉の声』
(芭蕉が「奥の細道」の途中、出羽の山寺で詠んだ句)
12年前の7月(撮影日付)夏休み、東北を旅した際に立ち寄った山形県の立石寺(山寺)で大きな石段をよじ登り見つけた「せみ塚」。山寺の頂上に這い上がると切り立った岩壁の上に「奥の院」が建ち並び、山麓から吹きつける風を感じながら芭蕉の心境に触れた気になった。下山後は境内の駐車場の狭い車中、夫婦交代で汗びっしょりの下着類を着替えたことを思い出し、恥ずかしい記憶は鮮明と苦笑い。そのあと行く先々で芭蕉の足跡を巡ってレンタカーの有難みを思い知るのだった。