今年もチョコレート要るの?と耳元で妻が囁く。くれなきゃホワイトデイのお返しがないだけさ!と亭主、聞こえないような小声で応える。どうせ物忘れする夫婦、お互いしつこく言わなくなった。
スーパーの菓子売場で予算枠を告げられ亭主が選ぶ、義理チョコならぬ人情チョコなのだ。GodivaやGallerなどの輸入チョコ、デパートや専門店の逸品を貰った憶えもない。明治や森永、好んでチロルチョコも?要は晩酌の洋酒のつまみなので、貰うなら高級チョコより安物でも種類と量を重んじる。
うんちく!バレンタイン・ディとは結婚を禁じられていた若い兵士を哀れに思い、密かに結婚させていたバレンタイン司教の殉教した日だそうだ。
この歳で愛の告白などないが、たった一個でも男にとっては名誉なる勲章。独り合点でも計り知れない気持ちが伝わってくる。与える人も、受け取る人も癒すバレンタイン・デイ!できれば今年も貰いたいものだ。