岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

「運河の会」 2015年年末記念会

2015年12月10日 13時20分32秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
「運河の会」2015年 年末記念会 於)私学会館 12月5日



 年末記念会と言っても世間で言う忘年会だ。2015年の一年間の総決算といえよう。「運河の会」の1年の活動の締めくくりでもある。


 例年なら歌集の出版記念を兼ねて行われるが、今年の会員による歌集の出版はなかった。不景気のせいもあろう。歌集の出版にはかなりの費用がかかる。余程の動機と経済的余裕がなければ出版はしない。来年は運営委員、選者のメンバーが出版する予定だから盛大な出版祝賀会となるだろう。僕の第四歌集も2015年3月の出版予定だ。


 運河賞が発表され、現代歌人協会に入会した会員が紹介され、「短歌現代賞」の予備選を通過した4人の名前が紹介された。歌集の出版はなかったものの、「運河の会」の活動は着実に進んでいる。

 普通短歌グループは創立者がなくなると解散する場合がある。長澤一作、山内照夫。この二人がなくなって、「運河の会」も試練があった。ひとまずそれを脱して、「第二次運河」の活動が軌道に乗り始めた。


 例年の出版歌集を紹介するのにかわって、選者が年間作品の総評をした。課題も指摘された。作品に勢いがない。新境地を開拓するという気概がない。


 長澤一作元代表が「現状に甘んじてはいけない。実験作を試みよ。それには歌論を持つ必要がある。」と僕にいったのは10年ほど前だろう。


 発言の機会があったのでこの事を紹介したあと

「『斎藤茂吉と佐藤佐太郎』を刊行して歌論を固めたあと、相聞を詠むように新境地を開いた。「詩人の聲」で音読しながら、来年はこの50首詠を完成させたい。」と発言した。

 相聞を詠んだ先輩からアドバイスされた。

「相聞の作品はことに一人歩きしやすい。浮名を流しているとも勘違いされる。」

 そういうものだろう。自分の弱さが出ないよう、他人に迷惑を掛けないように最大限の配慮をする必要があるだろう。

 例年とは一味違った年末記念会だった。




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