国会で成立したる全保障関連法案。通称「戦争法」。
この法案は「戦争法案と呼ぶのに相応しい。根拠を幾つか挙げよう。
1、集団的自衛権は自国が攻撃されていないのに、自衛隊の海外派遣を可能にする。いわば「他人の喧嘩に口を出す」もの、米ソの侵略戦争が集団的自衛権の名で行われたように、日本が戦争の当事者となる危険性を孕んだものだ。
2、後方支援とは兵站活動に他ならない。日中戦争のインドシナ、ベトナム戦争のホーチミンルートの様に軍事的攻撃に晒されやすい。「戦争で兵站を攻撃する」のは諸葛孔明の時代からの軍事的常識だ。
3、安倍総理は「攻撃されたら撤退する」と国会で述べた。とんでもない話だ。戦場で攻撃されながら撤退する。こんな危険なことはない。敵の標的となる。下手をすれば部隊が全滅する。
法案の問題点。
1、「安全保障環境の変化」を内閣は法案提出の理由としている。だが「安全保障環境」がどう変わったのか、国会で首相からの返答はない。根拠なき「中国脅威論、北朝鮮脅威論」が口コミで広まっているだけだ。
2、「存立危機事態」と言う定義が曖昧だ。首相も明確に答えられない。「総合的に判断する」とオウム返しに言うだけだ。これでは時の政権の恣意的選択によって日本が戦争の当事者となる危険がある。
3、殆ど全ての憲法学者、全ての弁護士が加入する日弁連。歴代の内閣法制局長官が、この法案は憲法違反だと断言している。憲法違反の法律は成立しても無効だ。
4、閣僚自体が法案を理解していない。野党に質問されて閣僚が立ち往生すること幾度か。審議がとまること幾度か。審議をすればするほど問題点が明らかになる。
5、反対意見が急速に増えていること。各種世論調査では、「戦争法案反対」が過半数を大きく上回っている。「今国会で決めるべきではない」が八割を超えている。「内閣支持率」は四割を切った。逆に「内閣不支持率」が六割。
6、ここに至り「戦争法案賛成」は原子力産業、兵器産業の関係者、利害関係者に限られつつある。「戦争法案反対」は今や多数派だ。ここで法案成立をさせたなら、戦争法案は「憲法九条に違反」するどころか、「国民主権」にも違反することとなる。
自公政権は軍需産業を成長産業と位置付けているようだ。外遊の度に安全保障のパートナーシップと兵器を売り込んで来る。これでは日本の産業構造が歪んでしまう。
また今回の法案は拉致問題の解決を遠ざける。北朝鮮を仮想敵としているからだ。仮想敵とされた北朝鮮との外交交渉はより困難になる。
これだけ問題点があれば、この法律は廃止するしかないだろう。
戦争法は廃止すべきだ。
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