岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

「星座」:かまくら歌会2015年5月

2015年05月02日 23時59分59秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
「星座」かまくら歌会 2015年5月1日 於)生涯学習センター

 この歌会は「星座」の会員だけが参加出来る歌会だ。尾崎左永子主筆が指導する。佐藤佐太郎の歌論と実作から、学びながら行われている。

 このブログで記事にしたように、現代短歌の不作は、近代短歌との断絶があるのに原因がある。短歌は定型だが、抒情詩だ。「短歌は抒情詩だ」と言い切った、佐太郎から学ぶことは多い。

 今月は、鎌倉周辺の吟行会だった。吟行会はいささか古風な表現だ。その場で短歌を詠む。尾崎主筆は、即詠と呼ぶ。短時間に詠むので、かなり困難だ。嫌がる人もいる。だが短歌の修練の一つとしては、大いに意味がある。

 参加者は15名。通常の歌会は午後1:00から開催される。この日は各自が、鶴岡八幡宮周辺を散策して、短歌を詠み、午後12:50に会場に集合。その日に詠んだ作品を、批評しあった。

 僕は青空に映える松の葉の繁りを詠んだ。当日鎌倉で、最初に目にはいったものを詠もうと決めていたからだ。即詠だからそれが一番相応しいと思ったからだ。参加者の詠み方はそれぞれだった。鎌倉の諸所を散策し作品の素材を探す人、事前に鎌倉の歴史を調べて短歌に詠み込んだ人。

 だが探した素材より感じたものを詠んだほうが成功していた。また事前に調べた作品は知識が邪魔をしている。連句をやっている人は、取って付けたようなものになっていた。やはり直感で感じたものを、詠むのが好いだろう。

 尾崎主筆の講評は何時も通りだったが、「即詠は難しい」との話で、吟行会で褒められた経験はないそうだ。

 しかし「即詠でこれだけ詠めれば、大したものだ。」という話だった。吟行、即詠は、短歌の技術ではなく、直観を鋭くするものなのだろう。

 最後に、6月、7月の日程と、10月の全国集会の日程が確認された。




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