2017年 角川新年会
・角川短歌賞、俳句賞授賞式
今年の角川短歌賞は佐佐木定綱と竹中優子だった。選考委員を代表して島田修二が選考経過を述べた。佐佐木は表現は粗いが生の人間を表現しているのを評価された。竹中は生の人間を描いていないが感覚的な鋭さを評価された。そこでの二人受賞となったのだが、これは良い傾向だと思う。生の人間を表現するのと、感覚的に研ぎ澄ますのは、詩歌の表現に欠かすことが出来ない。短歌賞でゲーム感覚な作品が評価されるのが散見されたが、ここにきてゲーム感覚の作品が除外された。現代詩に思想と自己の感覚として消化する必要があるとは現代詩のライトバース吉野弘が詩集の最後の詩論で述べているほか、詩人の詩論で述べられている。
「現代詩手帖」の1月号は「現代詩のアンソロジー」だった。一冊の合同詩集に匹敵する。表現方法は様々だが人間や社会に深く関わって掘り下げている。ここにきてゲーム感覚の作品が除外されたのは的確な評価だったと思う。僕の周りで短歌に興味がある人も好感をもっていた。
・角川賀詞交換会
岡野弘彦の乾杯の音頭で懇談がはじまった。何人かの歌人と言葉を交わしたが、毎年話し込む先輩歌人と長澤一作(「運河」の創刊者)の話をした。長澤一作は「現状で甘んじてはいけない。冒険作を試みよ。そのためには歌論が必要だ。歌論がないから秀歌と駄作が入り混じる。」その先輩にもそういったそうだ。そのほかアドバイスをもらった。著作を準備しているという。楽しみにしている。
面識のない歌人から声をかけられて驚いた。もっと気の利いた挨拶をすればよかったのに「どうも」で済ませてしまった。名刺を出すのも忘れていた。
「星座」の尾崎主筆とも会った。「あら来ていたの」とあっさりしていた。そのほかこの日は腹の調子が良くなく、食べるものにいつもに輪をかけて注意していた。なんとなくぎこちなかったのはそのせいだろう。
この賀詞交歓会、案内状が届くようになって毎年出席している。毎年何らかの収穫がある。大切にしたい。