岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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「星座」:かまくら歌会2015年3月

2015年03月18日 23時59分59秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
「星座」かまくら歌会 2015年3月6日 於)鎌倉生涯学習センター

 「星座」かまくら歌会は、作品批評会である。伝統的な歌会は点数を入れる。そして当日の作品に順位をつける。だが「星座」の尾崎左永子主筆は、これを好まない。尾崎著『現代短歌入門』に書いてあるが、初心者が多い歌会では、完成度のそれほど高くない作品が、高点歌となる場合も出てくる。これでは意味がない。

 そこでこういう会のもち方となった。「星座α」「運河かながわサロン」「運河東京歌会」も、この仕方で運営されている。当然研究会の様相を帯びてくる。

 こういう形式で行うと、参加者の意欲が啓発され、作品の進展が期待できる。僕がここに参加するようになってから、まだ数年しか経っていない。仕事、病気療養の影響だった。だがここ数年は、かなりの好影響を受けている。

 この日は、主席者13名、出詠13首。数人が発言した後、尾崎主筆が講評した。

 僕は意識して何度も発言するように心がけている。「詩人の聲」に参加してきたおかげで、詩歌の作品批評の基準が、定まったからだ。

 作品の素材は、自然詠あり、社会詠あり、心理詠もあった。しかも参加者一人一人の特徴が出て来るようになった。尾崎主筆の講評も上級者むけとなってきた。厳しい言葉が飛ぶこともあるが、各自がそれを受けとめられるようになってきた。

 僕のこの日の論点は、「状況説明になっていないか」「感想文となっていないか」「余計な言葉はないか」「主題が鮮明か」「抒情の質が鮮明か」「抒情詩としての普遍性があるか」などだった。この批評の基準と読み取りは「詩人の聲」で耳を鍛えられたのが大きく影響している。

 尾崎主筆の発言も、出席者により高度なものを、要求するようになってきた。「ここまで表現で出来るなら、もっと踏み込めるのではないか。」という発言に現れている。特にこの日は「作品を読んで、誰の作品かが分かるくらいの個性が欲しい」という発言が印象的だった。そして上手い歌と、いい歌は違う。いい歌は、100年残る歌。欠点はあっても、良い点が出ているもの。その作者でなければ詠めないもの。と毎回言われる。これが良い励みとなっている。

 来月は、5月1日、鎌倉で各自吟行をしたのち、12:40に、生涯学習センターに集合と決めた。面白くなりそうだ。




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