岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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国府弘子ライブ報告(5)

2015年08月09日 23時59分59秒 | 短歌の周辺
国府弘子 ピアノソロ「ピアノ一丁!」 コンサート 於)銀座ヤマハホール


 「ピアノ一丁!」とは国府弘子の最新のCDのタイトル。「英語やカタカナ語を並べるのはすかない」という彼女のポリシーだ。


 驚いたことに彼女のピアノソロを聞くのは初めてだ。いつもは共演者がいるか、「スペシャルトリオ」といって、ベース、ドラムスとの共演だ。だから今回はピアノ演奏を堪能することとなった。


 6月27日に銀座ヤマハホールで開かれたもので、コンサートは2部構成だった。コンサートの印象を思いつくままあげてみよう。


 国府弘子は自分を飾らない。「ピアノ一丁!」というタイトルが示すのにそれがわかるが、今回は「はだしに首タオル」という出で立ちだった。「首タオル」とは首にタオルを巻いたもので、汗がふけると同時に気合を入れるねじり鉢巻きの様な機能がある。中学時代もそうだが、国府と同級だった高校時代は僕も愛用した。二時間の生演奏にはかなりの体力を必要とする。国府の演奏はいつも全力投球だ。共演者がいる時は共演者の演奏時間に休める。だがピアノソロとなればそうはおかない。国府の並々ならぬ覚悟と見た。


 ライブハウスでは味わえない生演奏の魅力だった。迫力があるが、それでいて聴衆の心を打つ。「ピアノセラピー」と国府は言う。「心のささくれが治っていくような演奏」を心掛けていると言う。実力があればこその言い様だ。


 今回のコンサートの演奏方法、選曲もそうだった。「右手にピアニカ。左手にピアノ」という演奏。ジャンルの広い曲目。クラシック、ジャズ、ロック、フォーク。何でもこなす。こなすだけでなく音の表情が変わる。


 八神純子の「水色の雨」から「男はつらいよ」の主題歌、ビートルズまで曲目にはいっていた。本人はビートルズがお得意だそうだ。修行時代に、200曲をコピーしたと言う。


 この日も会場からリクエストを募っていた。


「アクロスユニバース」「オブラディ・オブラダ」などが弾かれたが、僕は「イマジン」をリクエストした。前回の公演を「世界が平和であるように」という言葉で結んだ国府のことだから、リクエストは受けてもらえると思ったが、最後の方で演奏された。ほかに国府のオリジナル「忘れないよ」、「水色の雨」も演奏された。今回も涙が出てしまった。

 それにしても、ヤマハホールは音響がいい。ここで「詩人の聲」を撃ちこんでみたいものだ。


国府のコンサートには何時もプロ精神を感じる。これも見習いたい。





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