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岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

「星座α」第29回歌会

2015年11月13日 23時59分59秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
「星座α」第29回歌会 於)鎌倉彫会館


 「星座α」の定例歌会は隔月に行われている。奇数月だ。9月は事情があって開催出来なかった。「星座」15周年の全国集会があったせいもあろう。

 久し振りの歌会だった。出詠は18名。一人が発言して選者が批評する。3首終わったところで尾崎左永子主筆が論評する。

 僕は今まで尾崎主筆から直接学んだことと、佐藤佐太郎の「純粋短歌」、「詩人の聲」のプロジェクトで培った詩歌の評価基準をもとに発言した。

 初心者が集まるのが常だったこの歌会だが作品の水準が上がって来た。感動して表現したいことが明確だ。事実の羅列は一つもない。説明的なもの、文法の誤り、言葉の選択の善し悪し、言葉足らずのもの、逆に言葉が多すぎるものは勿論ある。

 だが着眼点と深め方はかなり進歩してきた。冒頭尾崎主筆が「批評は甘口が好いか、辛口が好いか。」と出席者に確認するほどだ。出席者も「辛口」を望むほどになって来た。辛口の評論を受け入れられるまでになったのだ。


 問題点があった作品も手元で温めて工夫する価値のあるものだ。尾崎主筆の言い方が微妙に変わってきた。「短歌を沢山作ってたくさん捨てましょう。」と言うのが常だったが「作品を捨てないでもう一度考えてみたら。」と言うようになった。これも会員の作品が上達してきたことの証だろう。


 最後に尾崎主筆への質問タイムがあった。


 僕は「相聞でいい歌集や歌人はいませんか。こんなこと言うとなんですが。」と質問した。尾崎主筆は「あら好きな人でもできたの。」と聞いてきたので「そういう訳ではないのですが、表現の幅を拡げられるかと思って。」と答えたような気がする。やや恥ずかしかった。男が、しかも頭が固くでくの坊だった僕を知っている尾崎主筆が一番驚いたろう。


 尾崎主筆のアドバイスは以下の通り。


「相聞を詠うなら後世に残るものを。(個人的な感想文ではいけないということだろう。)歌人では前田夕暮、吉野秀雄、川田順、窪田空穂、与謝野鉄幹、北原白秋。明星派の歌人の作品に見るべきものがある。」


 自分の表現領域を広げるために少し作品化してもようと思っている。


「架空の恋人を作っても構わないから。」とは尾崎主筆の言葉だった。







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