「運河の会:東京歌会」2015年11月 於)早稲田奉仕園セミナーハウス
「運河の会:東京歌会」は首都東京の歌会として特別な意味を持っている。長澤一作、川島喜代詩、山内照夫。こうした「運河の会」の設立にかかわった歌人が指導してきた。今は佐瀬本雄代表が助言している。
生憎の雨で、欠席者が多かったが、10名が参加。みなベテランだが、高齢の会員が多く病気などを愚痴のように作品化することが多く、気になっていた。
だが最近、そういう愚痴がなくなってきた。僕も「星座」の尾崎主筆や「詩人の聲」の現代詩人に教わったことなどを積極的に発言してきた。
言葉の選択、文法の間違い、丁寧すぎて情感がうすれる、言葉が足りないと情感が明確に伝わらない。言葉がおおすぎても、たりなくても困る。ここが短歌の難しいところ。
佐瀬代表の発言には文法上のことで啓発されることが多い。特に助詞の用法には気を使うようになった。
この日は特別だった。生まれて初めて相聞を出詠した。作者がばれないように旧仮名にして。「老いらくの恋」という評価がされた。相聞というのは伝わったようだ。内容も厭味がなかっただろう。
僕の作品と聞いて少なからぬ人が驚いたが、相手は誰かなどと野暮なことを言う人はいなかった。架空の恋人を想定する場合もあるのだから。