「運河」かながわサロン1月歌会 於)神奈川県民活動サポートセンター
・短歌の素材:
「山茶花の咲く里の家」「落ち武者の気配漂う鎌倉の切通し」「山積みのキャベツのなかから大玉を選ぶ」「冬ひでりにひと雨降ったあとの景」「故郷より届いた宅配便」「庇の間より見える逆三角形の海」「年末の第九」「温室の中の薔薇の蕾」「海近き城跡」。
叙景歌・日常詠・心理詠など多彩だったが、前回同様、作者独自の視点がはっきりしたものが目についた。
・論点:
「言葉を並べているだけで、一気に読みくだしていない」「結句の助詞が不要」「一首のなかに効いていない語句がある」「商標をそのまま使うと俗になる」「上の句の景は顕つが、下の句が意味不明」「全体に意味不明」「言葉が即き過ぎ」「表現が曖昧」「言葉が多すぎる」など。
短歌は5句31音の定型、短詩なので無駄な言葉があると、致命傷になる。そこが短歌の面白さであり、難しさでもある。
活字になって初めて気づいたことがあった。他動詞が活きる場合もあるが、使いようのよってはしつこくなる場合がある。
・学習会:
佐太郎の第5歌集「帰潮」より。1948年(昭和23年)の作品より10首批評。主観・客観の一体化、二物衝突、客観写生、主観による暗示など佐太郎短歌の特徴をつかむ。
・その他:
次回、会場はサポートセンター。学習は「帰潮」、メンバーの「運河」掲載のエッセイ、巻頭詠のいずれか。
僕の第三歌集も完成するので手渡すつもり。「あとがき」を読んでコメントしたいと思う。
第三者の目で見てもらって気付かされることが多い。これが岡井隆の言う「場」の効用だろう。今回は最大限利用させて貰った。