岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

「運河かながわサロン:2012年1月

2012年01月17日 23時59分59秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
「運河」かながわサロン1月歌会  於)神奈川県民活動サポートセンター


・短歌の素材:

「山茶花の咲く里の家」「落ち武者の気配漂う鎌倉の切通し」「山積みのキャベツのなかから大玉を選ぶ」「冬ひでりにひと雨降ったあとの景」「故郷より届いた宅配便」「庇の間より見える逆三角形の海」「年末の第九」「温室の中の薔薇の蕾」「海近き城跡」。

 叙景歌・日常詠・心理詠など多彩だったが、前回同様、作者独自の視点がはっきりしたものが目についた。


・論点:

「言葉を並べているだけで、一気に読みくだしていない」「結句の助詞が不要」「一首のなかに効いていない語句がある」「商標をそのまま使うと俗になる」「上の句の景は顕つが、下の句が意味不明」「全体に意味不明」「言葉が即き過ぎ」「表現が曖昧」「言葉が多すぎる」など。

 短歌は5句31音の定型、短詩なので無駄な言葉があると、致命傷になる。そこが短歌の面白さであり、難しさでもある。

 活字になって初めて気づいたことがあった。他動詞が活きる場合もあるが、使いようのよってはしつこくなる場合がある。


・学習会:

 佐太郎の第5歌集「帰潮」より。1948年(昭和23年)の作品より10首批評。主観・客観の一体化、二物衝突、客観写生、主観による暗示など佐太郎短歌の特徴をつかむ。


・その他:

 次回、会場はサポートセンター。学習は「帰潮」、メンバーの「運河」掲載のエッセイ、巻頭詠のいずれか。

 僕の第三歌集も完成するので手渡すつもり。「あとがき」を読んでコメントしたいと思う。


 第三者の目で見てもらって気付かされることが多い。これが岡井隆の言う「場」の効用だろう。今回は最大限利用させて貰った。




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