岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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森友事件は疑獄事件:二つの問題

2018年03月17日 14時09分06秒 | 政治経済論・メモ
森友学園 大阪府にある学校法人だった。すでに経営している幼稚園があった。特異な幼稚園だった。幼稚園児に教育勅語を暗唱させ、「安保法通ってよかったですね安倍首相」と叫ばせる。


 それもそのはず籠池理事長は大阪日本会議の幹部だった。公開された公文書では「大阪日本会議代表」となっている。日本会議は日本最大の極右団体。大日本帝国憲法体制への回帰を目指すのが特徴で、日本国憲法と戦後民主主義を排撃する。


 日本会議国会議員懇談会というものがあって安倍首相が副会長、麻生副総理が特別顧問、平沼赳夫元衆議院議員が会長をしている。安倍内閣の閣僚の大多数が日本会議の会員。日本国憲法の改正を推進している。それは自民党の改憲案、改憲日程に大きく影響している。


 この戦後民主主義を否定する日本会議の「理想の教育」を目指すのが森友学園だった。その学校法人が小学校を開校することとなった。「安倍晋三記念小学院」。ナチスの「ヒットラーユウゲント」なみの命名だ。安倍首相と日本会議にとってはこれ以上好都合なものはない。


 安倍昭恵夫人は「学園の教育方針の感涙した」という。この小学校の用地取得をめぐって、近畿財務局が管理する国有地を不当に安く払い下げたのではないかという疑惑が報道され、国会で野党が追及しはじめたのが2017年の2月だった。


 9億5300万円の土地を1億3400万円で売却した。それも10年の分割払い。これは異常である。9億5000万円の土地に対し8億1900万円の値引き。85.9%の値引きだ。尋常では考えられない。政治家の関与、安倍総理の関与が疑われた。これが事実とすれば行政の私物化である。オトモダチに国民の共有財産の国有地を不当に安く売ったのだ。公務員の背任行為にあたる。


 国会で安倍総理は「私か妻が土地の売買に関与していれば、内閣総理大臣、国会議員も辞める」と明言した。財務省理財局の佐川長官も「取引は適正に行われた、書類は残っていない。」という答弁を繰り返してきた。その文書が国会に開示された。財務省内にあったのだ。


 しかし開示された公文書が改竄されたのではという記事を朝日新聞がスクープした。毎日新聞もこれに続いた。いまでは週刊新潮、週間文春などでも記事になっている。改竄されていた内容は14の文書、300の項目に及ぶ。

「籠池理事長が『大阪日本会議』の代表であること」

「日本会議国会議員懇談会の幹部に、安倍総理、麻生副総理、平沼元経産業大臣がいること」

「安倍昭恵夫人が土地の取得と開校に関わっていたこと」

「鳩山邦夫、北川イッセイ、鴻池元国務大臣など政治家が土地取得に関わっていること」

「土地取引に不当な値引き交渉があったこと」


 これがごっそり削除されていた。


また、「特例的な内容」「本件の特殊性」の文言が改竄されていた。そしてこの改竄削除が行われたのは、安倍総理の国会での発言「総理も国会議員も辞める」の直後からだった。


 これが事実とすれば大きな問題が二つある。


1、行政の私物化。親しい知り合いに国有財産を不当に安く売却したこと。公務員の背任罪だ、そこには複数の政治家の名前がででくる。財務局だけでなく国有地の管路をしていた国土交通省の関与も疑われる。国土交通省は政権与党の公明党が大臣を務めてきた。日本会議、大阪維新の関与の可能性もある。


2、決済済みの誘因公文書の改竄。刑法で「10年以下の懲役」とされている。公文書管理法で公文書は「民主主義の根幹」「国民の共有財産」と規定されている。これが改竄されたなら前代未聞だ。


 これはもはや、単なる事件ではない。前代未聞の疑獄事件だ。







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