「星座かまくら歌会」2017年5月5日 於)鎌倉生涯学習センター
毎年のことだが「星座かまくら歌会」の5月の歌会は吟行会だ。その時に詠む即詠となる。それぞれが数時間鎌倉周辺をめぐって短歌を一首詠む。
鎌倉にちなんで源野実朝、鎌倉の寺社、武士、鎌倉ゆかりの文人などを詠む人が多かったが、僕は鎌倉駅を詠んだ。鎌倉駅はここ数か月改修工事をしていてついに竣工した。その駅舎の屋根にひときわ目立つ時計台がある。ここ数か月工事の推移をみていて竣工をまちかねていただけに鎌倉の駅前に立つと同時に目に入った。これを作品化した。
即詠だけに言葉使いの不備があった。だが着眼点は良かったようだ。即詠は着眼点が勝負と思っている。作品は4首作ったが一番印象の強かったものを出詠した。
「鎌倉に住んでいないとわからない歌は詠むな」「説明を排せ」「知識に頼りすぎるな」「助詞が多すぎるとせせこましくなる」「暗喩は理解されにくい」「終止形と連体形を区別せよ」「助詞の『ば』は条件結果で理屈になりやすい」「作者の居る場面が読者に伝わるか」「名詞が多すぎる動きのない作品となる」「動詞が多いとせわしい作品となる」「批評する場合は『貴女はこういう。私はこういう』と言う態度でのぞめ」
こいいうものが尾崎主筆の講評だった。
論点は数多かったが、先人に学びつつ独自のものを見つけよ。作品ができたら自分が読者となって、作品を見なおせということだ。
作品のなかに独自性を、高い完成度をということだ。
さいわい「星座」には個性の異なる個性の選者が4人いる。この中で様々な新風が生まれてくるのを期待したい。