戦後の国際社会では一つのことがルールとなった。「武力を背景とした国境変更を認めない」ということだ。これが初めて成文化されたのは、第二次世界大戦末の「カイロ宣言」だ。領土不拡大、賠償金を求めない。これが大きな柱。
ウクライナの東部親ロ地域は武装勢力が占領しており独立を「宣言」した。これは武力による国境の変更要求だ。
またロシアは占領している「クリミア半島の割譲」を要求している。これも武力を背景とした国境変更の要求だ。
「領土不拡大の原則」は国際連合の基本原則となってきた。だから、ロシアの要求を飲むことは国際連合の存立基盤を危うくする。
確かケニアの大使が国でスピーチした。
「アフリカ諸国はヨーロッパ諸国の定めた国境を受け入れている。同じ民族が国境をまたいでいる場合が少なくない。だがわれわれはこの国境線を受け入れた。そうでなければ今でも際限のない武力紛争が続いていただろう。」
だからロシアの要求を飲むのは、国連の存在理由を危うくする。国連は万能ではない。国連の常任理事国が侵略戦争を起こすのを想定していない。アメリカ中心に回っているとういう批判もある。
だが「対人地雷禁止条約」「クラスター爆弾の禁止」「核兵器禁止条約」、国連難民高等弁務官事務所、ユニセフなどの意義ある活動をしてきた。これを揺るがすのは出来ない。
ウクライナ戦争の終結は侵略軍であるロシア軍の撤退で終わらさなければならない。