「『思い』を思想にまで高めて」 『短詩形文学』2015年10月号
旧満州の引き揚げ者の家庭に育った者としては、平和を望む気持ちには特別なものがある。「8・15を語る歌人のつどい」にも何度か参加させていただいた。今年の講演は早乙女勝元氏。
氏の講演を聞くのは第11回以来だった。氏の講演には一貫性がある。東京大空襲の体験を通して語る平和への希求。世の中がどうあろうと希望を捨てない。行動は一人でも始めなければならない。
14年前の講演とは内容こそ違え、この三点は共通していた。考えにブレがない。
それは早乙女氏の平和への希求が「思い」にとどまらず、思想にまで高められているからだろう。
戦争か平和かと問われれば誰しもが平和と答えるに違いない。心すべきは平和への希求を思想にまで高められるかだろう。
国会での状況を考えるとき、一層その思いを強くした。(ここまでが寄稿したもの)
『短詩形文学』2015年10月号
戦争法案は9月19日に可決成立した。だが世の中に敗北感は全くない。9月29日の「戦争法廃止」の新宿西口の街頭宣伝にはフェイスブック、ツイッターを通じて301人が小田急百貨店前に詰めかけた。街頭宣伝だが集会に近い。
10月2日の日比谷野外音楽堂の集会には20000人が集まった。それに先立つ9月23日には代々木公園に25000人が集まった。
日本人の意識、思想が、変わりつつあるように思う。