岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

総選挙の前夜

2017年10月21日 23時07分29秒 | 政治経済論・メモ
日本はいつから、こういう国になったのだろう。総選挙の前夜、首相のラストスピーチはナチスさながらだった。群衆がわく。日の丸がうち振られる。ヤクザまがいの男が異論を唱えるものを恫喝する。

 社会では、ヘイトと呼ばれる人種差別が横行する。戦前の教育勅語が見直され、大日本帝国憲法が理想だという政治家もいる。戦争は魂を浄化すると言って憚らない閣僚がいる。何かがおかしい。そう思う人は多かろう。

 
 しかし、それが目に見える形になりにくい。選挙制度の問題もある。三割の得票率で六割以上の議席が得られる。これでは民意が反映しにくい。小選挙区制度に賛成した議員は臍を噛んでいるだろう。圧倒的に比較第一党に有利だ。

 そして政権についている人間が海外では、ファシストと呼ばれる。

 思うに、日本にはファシズムへのレジスタンスがなかった。ドイツやイタリアにあったレジスタンスが。そう考えると納得が行く。いま、この国の人々は、歴史上初めてのレジスタンスをしているのだ。ヨーロッパのレジスタンスは困難を伴った。レジスタンスが勝利を納めるまで10年近くかかった。

 だが、この国には代議制民主主義がある。選挙制度、議会がある。ヨーロッパのレジスタンスより有利な条件と可能性がある。

 困難だが、これを信じて行こう。この国には市民革命もなかった。民主主義が与えられたものとしてたち現れた。だから、いまは、この国の人々が民主主義を血肉化する過程なのだ。この国の民主主義が国際水準に届いていないと国際人権委員会から批判されている。選挙の監視団を送ると国連から言われて、政府がこれを拒否した。まるで人権後進国だ。
 

 だから、この国の人々が自分たちの手で民主主義を勝ち取るしかない。困難だが、それしかない。フランスの人々がフランス革命で直面した困難、アメリカの人々が独立戦争や南北戦争で直面した困難、ヨーロッパの人々がレジスタンスで直面した困難。これが待ち構えている。

 だが、前述した有利な面がある。このことを心に刻みつけておこう。







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