岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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軍事抑止論の問題点・安全保障をめぐって

2021年12月07日 21時19分29秒 | 政治経済論・メモ
 ここ10年ほど軍事力による抑止論が台頭している。曰く、北朝鮮のミサイル、曰く、中国の南海での横暴、それに両国の人権問題が絡んでくると、両国は民主主義の脅威、この国の脅威ということになる。その結果がJアラートであり、イージスアショアなどのミサイル防衛システム、沖縄をはじめ南西諸島の軍事化の促進である。最初に言っておくがミサイル防衛システムは、当初「スターウォーズ構想」と呼ばれ大気圏外を飛ぶミサイルを迎撃するものだ。標的は米国。それをまるで日本の真上をかすんで飛ぶかのような報道は的がはずれている。

 こういう誤解、世論誘導とは別に、軍事抑止論には様々な問題がある。

 1,こちらが軍備を増強すれば、相手も増強する。はては際限のない軍事拡張競争に陥る可能性が大だ。

 2,中国の軍事力を上回るには膨大な軍事費が必要だ。国家予算の大きな部分を軍事費が占めることとなる。その結果民生費が削られる。

 3,この軍事抑止論が、9条改憲と関連している。9条に自衛隊を明記する。海上保安庁、警察署、消防署とは違う特別な憲法上の地位を自衛隊が得ることとなる。「9条に自衛隊を書き込めば、国防軍をもつとおなじことになる」と憲法学者の小林節が警鐘を鳴らす。「自衛隊が憲法上の特別な意味を持てば予算他で優先されかねない。当然社会保障費は削られる」と憲法学者の伊藤真が訴える。

 肝心なのは、軍事力による抑止論に陥ることなく、憲法9条による外交と政治による国際紛争の解決にあたるべきだ。シビリアンコントロールを理解しないで、自衛隊の最高指揮官の歴代の首相や主要閣僚が、迷彩服をきて戦車に乗ったり、パラシュート部隊の真似をするなどのパフォーマンスするようでは尚更である。

 憲法九条は変えるより、外交と政治に活かしその内容を実現すべきだ。




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