「運河の会」第29回全国集会 於)鎌倉プリンスホテル
:一日目
1、作品研究:
2グループにわかれ歌会をした。僕は長沢代表のグループに参加した。論点は様々あったが、「川柳的ユーモアは軽い」という長沢代表の言葉が最も印象的だった。
2、夕食会、懇親会:
ホテルの夕食は「脂っぽくて」食べられないものもあったが、旨かった。懇親会では「自分の著書を宣伝しろ」という鵜飼康東氏話に乗せられて、「斉藤茂吉と佐藤佐太郎ー20世紀の抒情詩人ー」を夏に出版する旨、発言した。
3、自由懇談会:
来賓の尾崎左永子氏[「星座の会」主筆、とかねてから兄事したいと思っていた鵜飼康東氏の話だった。鵜飼氏の第一歌集「断片」の実物を見せてもらったが、魅力のある歌集だった。僕は第二歌集「ソシオネットワーク」に氏の独自性があると思ったが、そのとおりだと氏は言った。
4、宿泊:
二人部屋で、鵜飼康東氏と同室になった。話が弾んで、午前三時まで話こんだ。「歌壇の状況」「運河結成の経緯」など話は尽きなかった。特に穂村弘、秋葉四郎、松平盟子に関する話は驚いた。また僕の第三歌集「剣の滴」を高く評価してくれて現代歌人協会賞に推薦してくれたとのことだった。「短歌で勝負するなら長生きしよう」と教えられた。確かに、土屋文明も、土岐善麿も長寿だった。
:二日目
1、研究会:短歌実作上の問題をめぐって
3グループに分かれて行われたが、僕は佐瀬本雄副代表のグループに参加した。かつて「アララギ」は「最も理論武装した集団」と呼ばれたが、それは今は昔。会員の勉強不足が目立った。鵜飼康東氏のいら立ちが僕にはよく分かった。つまり作品の創作が「経験論的」になっているのだ。これでは他の結社に太刀打ちできない。
2、総会:
一年の会計報告がされた。これは他の結社ではないことだと聞いた。会員は次第に減っている。
3、「運河創刊30周年企画」:「運河を語る」
これは昔話を聞いているようで、余り興味を持てなかった。会員が減っている、で終わりそうだったので、再び「斉藤茂吉と佐藤佐太郎」の話をした。
「皆さん、角川学芸出版から花束が来ているでしょう。『写実派』から、現代を鋭く詠んだ作品、短歌作家が期待されているのです。皆さん頑張りましょう。『写実派』があって『象徴派』『口語の軽い歌』も冴えてくるのですから。」と発破をかけた。
鵜飼康東氏は途中で帰られたが、彼がいたら何と言っただろう。課題山積の総会、全国集会だった。だが課題山積だから逆にすることが多くて、何やら楽しい。