平成25年 日本歌人クラブ定期総会 於)明治神宮 参集殿
1、議事:会計報告、事業計画、監査報告、規約の改正などが行われた。
2、各種表彰:()は受賞者本人の発言、選評などによる。
日本歌人クラブ大賞:
岡野弘彦(第二芸術論の嵐の中をかいくぐって短歌という短詩を守ってきた。)
日本歌人クラブ賞:
佐波洋子(個々の事件を詠った歌集。その事件にどれだけ普遍性があるかが課題)
日本歌人クラブ新人賞:
田村元(短歌という文芸は、文学の範疇からはみ出た感じがする。)
日本歌人クラブ評論賞:
小野弘子(「父、矢代藤村」という初めての評伝)
3、講演:
「斎藤茂吉からの眺望ー大正半ばの日本詩歌ー」芳賀徹
キーワードは「赤い一本の道」。この時代の小説家、詩人、画家、がまるで斎藤茂吉の「赤光」のような一文を残している。それはまた、ヨーロッパの後期印象派、ゴッホ、ゴーガン、マチスの目指した方向でもあった。
具体的には、芥川龍之介、中村草田男、室生犀星、宮沢賢治、阿部次郎、村山槐太、萩原朔太郎、の一文に見られる。
そしてこれらの傾向に火をつけたのが「白樺」だった。
(=僕の感想:「赤光」は単独で存在するのではなく、時代の要請、時代のありかたによっても評価に値するものだ。)
4、懇親会:
多くの歌人と知り合いになる機会を得、何人かに名刺を渡した。その名前を記す。馬場あき子、米川千嘉子、倉沢寿子、芳賀徹、田村元、玉城入野、現代短歌新聞の編集スタッフ。
(=かつて鵜飼康東氏に「質の良い映画を見、絵画を見、すぐれた芸術に親しむのが重要だ」と教わったのを思い出した。早速、「夏目漱石と絵画」の展覧会のチケットを手配した。)