岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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溶けた年金

2019年06月16日 14時49分44秒 | 政治経済論・メモ
衝撃的なことが判明した。年金の資金の運用に、株式市場への投資が行われてきたのだが、現在までに15兆円の損失を出したというのだ。

 年金の払込金は年金給付に使われる。それを少しでも豊かにするために、資金の運用が行われている。年金の給付に必要な資金だから、元本割れしない方法で行われたてきた。

 国債の買い入れ、金融機関への預貯金、などだ。金利が0%に近い低金利時代だが、巨額な資金だから、利子、利息も多い。

 だが安倍政権は、この資金を株式市場に投資した。株価を上げるためである。安倍政権の経済政策は株価の上昇で評価されてきた。新聞で良く聞く「市場の反応」がそれである。

 藤井聡、元内閣参与によれば、日本は経済的打撃を何度も受けてきた、消費税5%が導入されたとき、リーマンブラザーズショックのとき、東日本大震災のとき、消費税が8%に増税されたとき、。日本経済はそのたびに大きな打撃を受け、民間最終消費支出が激しく落ち込んできた。

 だから「株価の上昇」は作られた官製バブルだ。株式証券を数億以上保持している富裕層にはまたとない恩恵だ。この富裕層は、日産のカルロス・ゴーンを念頭に置けば分かり易い。他社の株式証券を保有する大企業にも恩恵である。「含み益」として資産が増額する。

 しかしその恩恵は勤労者には及ばない。安倍内閣になって実質賃金は7,5%のマイナスだ。実質GDPは27兆円のマイナス、名目GDPは17兆円マイナス。

 年間所得の中央値は、400万~500万から200万~300万にほぼ半減した。

 年金の資金を株式市場に投資することで株価だけが上がってきたのだ。それが今回破綻した。株式投資というのは、100円が、90円や、80円になる場合も多い。だから年金の資金を投入してはいけないのだ。資金を引きあげれば株価が暴落する。蟻地獄に入り込んだようなものだ。

 それが今回表面化した。15兆円の損失である。

 金融庁のワーキング・グループの資産では、年金だけでは生活できず、老後に2000万円必要だという。これは麻生大臣によって受け取りが拒否されないことにされている。だが内容に間違いがあったわけではない。

 金融担当大臣が諮問し、官僚が準備した資料で試算する。ワーキング・グループに参加した経験のある人の話では、発表まえに、担当大臣も内容を知っていたはずだという。

 麻生大臣は銀座での豪遊で年間に、2000万使うこともあるという。麻生大臣には2000万円は、そうしたものでしかないのだろう。

 これは看過できない。各地で「年金返せ」のデモや集会が計画されている。これは後々まで問題となろう。




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