岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

辺野古の埋め立ての歌(2)

2019年06月18日 00時04分03秒 | 岩田亨の作品紹介
辺野古の埋めてての歌(2)

 ・美しき海が埋められゆくことをくり返さるる悲劇と言わん 「星座α」18号


 沖縄の問題を作品にするには長い時間がかかった。広島、長崎の原爆の歌は早くから作品化した。8・15の歌も今年初めて作品化できた。

 だが沖縄の歌は作品化できずにいた。このブログで再三再四記事にしてきたように問題が僕には重すぎる。広島、長崎、8・15が軽いのでは勿論ない。長い歴史を抱えたものだから、容易く取り上げられなかった。近世の「琉球処分」以来。いや薩摩藩の「琉球入り」以来の問題だ。

 心の整理がついて、一首出来たものを先に紹介した。だが「辺野古」という固有名詞を使った。使わない歌を歌いたいと思った。そこまで表現を限定したいと思ったのだ。その方が普遍性がある。

 そこで創作したのが掲出の一首である。

 なるべく固有名詞を使わずに歌を詠みたいと思う。茂吉も佐太郎も固有名詞が少ない。ここに表現の特徴がある。


 固有名詞に頼った作品になりがちだからだと僕は解釈している。これは社会詠の範疇に入るが、こういう作品をこれからも追求していこうと思う。




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