東大寺の紅梁 (海杉) 2006-01-09 07:51:04
現在の東大寺の紅梁は、宮崎県えびの市の白鳥と言うという場所から産出された赤松です.(直径1.3m、高さ54m)を2本切り倒しそこから南の錦江湾までおよそ十万人の人手と牛四千頭を使い4ヶ月かかって運び船に乗せて瀬戸内海を通って奈良まで運んだそうです.
公慶上人もこの紅梁を探すのには、大変苦労したみたいで10年近く探し回ったそうですよ.
現在、このような木造の大規模建築物を作れと言われたら、多分、大断面の集成材を使うでしょう.そして、「強度が得られないから米松を使わせてくれ」と安易に使われることでしょう.構造計算をして強度実験や実物の破壊試験などさまざまなデータをとって地元の杉の大断面集成材でも大丈夫となれば、これからの活用が開けるのです.
公共工事が悪のように言われますが、民間レベルでこのようなことは絶対しないはずです.受け継がれるべき技術やデータを広く公開して杉の更なる活用を計ることが林業の本当の目指す基礎のような気がします.
林業の方は、「安易に木を使え!!」と言い過ぎです.言われたから使うという気持ちだと腐ったとかメンテが大変とか価格が高いとか変な方向に言い分けを使われてしまいます.
ちなみに安芸の宮島の大鳥居の柱は、日向市からも持って行ったと地元のおじさんが行っていました.宮島の説明書にも宮崎産とあるのでまちがいないでしょう.多分???