
この写真は、木製の杭をそのまま、地面に打っています。

そして、板を打ち付けた状態です。
海杉は、いつも思っているのですが、大工さんが苦しんでいるのは、営業でしょうか?
仕事は「腕で稼ぐ」という時代は、もう終わっているのかもしれません。
でも、海杉は大工さんが腕で稼ぐことは十分可能だと思うのです。
建材が、大工さんや建築関係の職人さんを駆逐しているです。簡単な施工、高度な習得技術持つ職人を必要としない建材やプレカットが主流になっています。
そして、メンテナンスフリーの商品が良いとされているのです。
塗装屋さんは、塗り替え工事が定期的に入るそうです。お客様を大切にしたところが生き残れる好例でしょう。
大工さん昔はそうだったのかもしれません。
北野武監督の話で「サッシ屋だった親父は、いつも大工にいじめられていた」と話していました。
昔は、大工の棟梁が現場は、一番でした。サッシ屋さんは、ガラス屋さん上がりが多く、仕事も大工さんの仕事の後の取り付けだけでどうしても大工さんのご機嫌をとらなくてはならなかったそうです。(海杉の現場では、そんなことはありませんよ)
サッシ屋さんは、大手のメーカーとつながって定価を決めています。その定価からいくらと言う値引きを大工さんが受けていたのです。つまり、バックマージンですね。仕事をさせる度にマージンが入る仕組みを作っていたので大工さんが何処のメーカにサッシを取り付けさせるかで決まってしまいます。
私の先代は、そのことが嫌いで、お施主さんにサッシ屋さんや流し台などを決めてもらって仕事をやっていました。似ているようで施主の好みが全く違うからです。息子の私に「できるだけ、支給品でやるように」と言われたものです。
旨みのある部分ですが・・・
さて、こんな習慣が大工さんの仕事を徐々に減らしているのです。それに気付かないのは、誰のせいでしょう???仕事は、リベートでとるものではありません。本当にいくら体を動かしたかで頂くものです。マージンで利益を得るには、実は、相当の売り上げを掘り起こさなければ、維持できない仕組みです。
どの建材も大工さんを儲けさせる建材のように装って実は、代理店に仕事をもらえるような仕組みができ上がっています。
実例1
新築を請け負います。サッシは、当然、大工さんの裁量でメーカーが指定されたとします。お施主さんは、とっても気に入りました。でも、外構になるともう大工さんは、蚊帳の外ですね。カーポートやフェンスなんて、誰も大工さんに頼まなくなりました。
実は、建築金額の1割近い金額が外構や建設完成後に発生します。誰も手をつけていないのではなく、ちゃっかり、サッシ屋さんが持っていくのです。
サッシ屋さんは、メーカーと協力体制を敷き、営業サポートや販売網の安定を図っています。コマーシャルもきちんとしてくれ、大工さんとは、雲泥の差が今の現状ではないでしょうか?
実例2
ソーラーや太陽光発電などは、決して大工さんに話をもっていきません。メーカー生き残れる建設関係業種に大工さんを入れていないのです。
広い土場を抱え、スミツケする作業が殆ど無くなってきたのです。

弥良来杉は、サッシ屋さんのメーカー力には、劣りますが、きちんと営業できる大工さんには、最強の建材になると思います。