*ウサギのお部屋*

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「孤独の発明」ポール・オースター

2006年07月22日 | 
孤独の発明 (新潮文庫)
ポール・オースター,柴田 元幸,Paul Auster
新潮社

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最初に、ポール・オースターとの出会いから。



好きなバンド(ザ・カスタネッツ)の歌に「ムーン・パレス」というのがあった。

それが、ポール・オースターという作家の、好きな小説のタイトルだ、とインタビューで曲を作った人;牧野くんが言っていて、探して、買って、読んだのが最初。



それを読んだ印象と、歌の印象は全然違うものだった(解釈の違いだね)けれど、彼の作品は、なんか、好きで、訳されているものはそれからほとんど読んでいる。

私が何回も読む作家の1人になった。



そしたら、もう1人、好きなrazz.の阿久くんも、好きな作家にか彼を挙げていて、つながりを感じた。

私の好きな人と、好きな人は、つながっている。



彼は、うちの両親とだいたい同い年の、アメリカの作家さんで、最初詩を書いていて、最近では映画の脚本・監督もする人。

まだ生きているのかな??

彼が、小説を書く前、いちばん最初に書いた、散文の作品が、これ。







これの、内容を全部を理解しているとは言えない。

だって、引用された文献を、ほとんど読んだことがないし。

でも、好きなの。

彼の著作の中でいちばん好き。

なんでだろうなぁ。

これは小説ではない。始めがあって終わりがある、いわゆる「物語」とは違う。

でも、惹かれてしまうのは…

この語り口が好きなんだろうな。



あとは、こう、難しく難しく考えて考えて考えちゃうところ、なんかが、自分と似ていると思うのかもしれない。



これを最初に読んだとき、当時の日記には、その語り口の影響を受けていた。

ま、翻訳の、だけどね。



これは、「父と息子」について書かれたもの。

それから、「記憶」について書かれたもの。

全体として、「孤独」について書かれたもの。



私は父でも息子でもないけれど、母になってから、息子を持ってから読むと、やっぱり違った味わいがある。

父としての夫、そして自分の息子を見て、ちょっとあてはめてみるのもおもしろい。



偶然についての記述を、スピリチュアルな視点から解釈するのもおもしろい。

それは、偶然ではない、たましいが導かれてそこへ行ったのだ、というように。



孤独…。

「読む」という行為、それから「書く」という行為、すべては孤独の中でなされる。

そして、同時に、それは世界とつながることにもなる。



ちゃんと理解してないので、同じことを私がまた論じることはできない。

でも、なんか、なんとなく、わかるんだよねぇ。



部屋の中に1人でいて、机に向かって何かを書いている、というイメージ。

それが、自分と重なったのかもしれないなぁ。



アムステルダムの隠れ家

「アンネ・フランクはこの部屋で日記を書いた」

この一文だけで、アンネの日記をもいっかい読み直したくなる、そんな作品。



うまく言えてないけど…。