孤独の発明 (新潮文庫)ポール・オースター,柴田 元幸,Paul Auster新潮社このアイテムの詳細を見る |
最初に、ポール・オースターとの出会いから。
好きなバンド(ザ・カスタネッツ)の歌に「ムーン・パレス」というのがあった。
それが、ポール・オースターという作家の、好きな小説のタイトルだ、とインタビューで曲を作った人;牧野くんが言っていて、探して、買って、読んだのが最初。
それを読んだ印象と、歌の印象は全然違うものだった(解釈の違いだね)けれど、彼の作品は、なんか、好きで、訳されているものはそれからほとんど読んでいる。
私が何回も読む作家の1人になった。
そしたら、もう1人、好きなrazz.の阿久くんも、好きな作家にか彼を挙げていて、つながりを感じた。
私の好きな人と、好きな人は、つながっている。
彼は、うちの両親とだいたい同い年の、アメリカの作家さんで、最初詩を書いていて、最近では映画の脚本・監督もする人。
まだ生きているのかな??
彼が、小説を書く前、いちばん最初に書いた、散文の作品が、これ。
これの、内容を全部を理解しているとは言えない。
だって、引用された文献を、ほとんど読んだことがないし。
でも、好きなの。
彼の著作の中でいちばん好き。
なんでだろうなぁ。
これは小説ではない。始めがあって終わりがある、いわゆる「物語」とは違う。
でも、惹かれてしまうのは…
この語り口が好きなんだろうな。
あとは、こう、難しく難しく考えて考えて考えちゃうところ、なんかが、自分と似ていると思うのかもしれない。
これを最初に読んだとき、当時の日記には、その語り口の影響を受けていた。
ま、翻訳の、だけどね。
これは、「父と息子」について書かれたもの。
それから、「記憶」について書かれたもの。
全体として、「孤独」について書かれたもの。
私は父でも息子でもないけれど、母になってから、息子を持ってから読むと、やっぱり違った味わいがある。
父としての夫、そして自分の息子を見て、ちょっとあてはめてみるのもおもしろい。
偶然についての記述を、スピリチュアルな視点から解釈するのもおもしろい。
それは、偶然ではない、たましいが導かれてそこへ行ったのだ、というように。
孤独…。
「読む」という行為、それから「書く」という行為、すべては孤独の中でなされる。
そして、同時に、それは世界とつながることにもなる。
ちゃんと理解してないので、同じことを私がまた論じることはできない。
でも、なんか、なんとなく、わかるんだよねぇ。
部屋の中に1人でいて、机に向かって何かを書いている、というイメージ。
それが、自分と重なったのかもしれないなぁ。
アムステルダムの隠れ家
「アンネ・フランクはこの部屋で日記を書いた」
この一文だけで、アンネの日記をもいっかい読み直したくなる、そんな作品。
うまく言えてないけど…。