「明けの明星商会」朝倉かすみ
「そういうことなら」佐原ひかり
「くるくる回る」北大路公子
「スカートを穿いた男たち-トマス・アデリン「黒海沿岸紀行」抜粋」佐藤亜紀
「スカート・デンタータ」藤野可織
「ススキの丘を走れ(無重力で)」高山羽根子
「I,Amabie」津原泰水
「半身」吉川トリコ
「本校規定により」中島京子
「スカート」というお題で、いろんな女性作家の方々に短編を書いてもらう、自分も書くという企画。
なかなかおもしろかったけど、9編中7編が男がスカートはく話で、またはそういうエピソードが含まれていて、時代なんだろうけど、ちょっとなあと思った。
ね、今見ると、ジェンダーなんちゃらのおかげで気持ち悪さしかないわよ。
スカートをはく男子を尊重しましょうみたいな流れはどうなんでしょうか。スコットランドの民族衣装ならいざ知らず。
スース―するから女子もスラックスの制服も選べるは別にいいと思うけど。
朝倉かすみさんのは、歴代の会社の制服のスカートについて。やっぱりこの人の作品は好きだ。
あと、最後の中島京子さんのは昭和から平成の女子高生のスカートの長さについてで、この2編はよかった。これも男がスカートをはいてみる箇所はあるが。
「スカート・デンタータ」チカンに遭う女性のスカートに歯が生えて、手を食べちゃう話は、おもしろい視点! 女性からすると痛快ですらある。本当にチカンの手が食べられてスプラッタ状態になる。で、これも、元チカンの男が自衛のためにスカートを買っちゃうみたいなオチでね。
「半身」は、幼女のスカートからパンツが見えていてみたいな、これもペドっぽくて気持ち悪さはある。
あと、著者が気づかず言ってるのか、そういう女性を創作してるのか知らないけど、「知らないうちにいつの間にかルールができてて」って文句言う割に、「誰かがルールを作ってくれないと困る」とか他人軸で、これ、自然に出てきてるんじゃないのかなって勝手な想像する。矛盾してる人物像を描いたと言われればそうだけどさ。
全部の感想は書きません(笑)
私が「スカート」で思い浮かぶのは、やっぱり、制服の同じ丈のスカートで(昭和)中学校では短いと言われ、(平成)高校に行ったら長いと言われた話や、こないだやっと捨てた、サイズアウトしてはけなくなった若い頃のスカートたちの話かなあ(笑)朝倉かすみさんと中島京子さんの話に似てきちゃうね。
ちなみに、いろんなお題のいろんな作家さんのアンソロジーがあるみたい。