*ウサギのお部屋*

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マーガレット・アトウッド「洪水の年」(2009)

2023年08月18日 | 
 
 
原題;The Year of the Flood
この人の作品読むの3作め。「侍女の物語」の人。カナダの女性の作家。

フラッド(洪水)は、マッドフラッドのフラッドね。はいはい。と理解した。
イントロダクション読んだら、気になるでしょうよ。
「遺伝子操作で新しい生物が次々に作られ、食べ物は合成物ばかり。人々はエリートと平民に二分されている。(略)突然、新型ウイルスが襲ってきて地上は廃墟となってしまう」
これだよ。
え、今の世界ですか? ってなるじゃん。
あ、でも知らなかったけど、何か三部作の二作目だった。あらま。ほかは読まないかもしれません。

いつも著者が言ってることは、近未来の物語の設定はともかく、現実にないことは書いていないということ。
だからなのか、本当に、聞いた話のオンパレードです。

例えば、シークレットバーガーとかさ。名前がいいよね。何の肉を使ってるか分かんないっていう。もしかしたら殺された人の肉が入ってるかもしれないっていう。
これって、あのバーガーじゃんってなるしょ(笑)全くのそのままじゃないですか。
名前忘れたけど、何かドリンクのチェーン店もあったな。それが材料が悪いってデモしてる人たちとかいてね。

これもそうだと思った部分。
「人間を無料の実験動物として使ったあげく、その病気の治療で稼ぐとはな。けっこうな詐欺だろ」
これなんかあれでしょ。
今まさにやってるじゃない、国が、病院が、製薬会社が。

こういうひどい状況だけど、そこをたくましく生き抜く女性たちを描いているところが、希望のある物語と思う。
最後のほうのヒロインの1人の言ったこととかも、すごくいい。
「私たちは自分たちが望むものからできている」「もし希望を持てないのなら、何をしたって無駄でしょ」
ね。
自分で現実を創るみたいな話にも通じるので、すごく腑に落ちるね。

結構話の中心でもあったんだけど、余談にもなり得る。
新型ウイルスがどうのってところ。
それが、「水なし洪水」と言われていて、タイトルにもつながるんだけどね。
や、あの茶番だったあの新型ウイルスも、こういう設定だったんだろうなって思った。
本当に、言われてるように恐ろしいウイルスだったら、感染者に触ってもダメだし、感染したら溶けてしまうし、誰にでも襲いかかるから、テレビも映らなくなるしシステムもダウンするよね。
そうならないから茶番だっていうの。
そして、いまだに怖がってる人は、こういう世界を見ているんじゃないかなって思う。生きるの大変そう(笑)
ていうか、こういう感じだったら、余計にマスク意味ないと思うんだけど。。

ほかにも、宗教的な話とかもっといろいろあって、すごいなあーと思って読んでた。
アダム一号の話は、とっても示唆に富んでいてね。