観測にまつわる問題

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中国における実効支配とは?

2012-09-15 23:31:47 | 日記
「ガス抜き」反日デモ容認、統制不能の恐れ(MSN産経ニュース 2012.9.15 20:27)

>日本政府が尖閣諸島を国有化したことで、中国では「日本の実効支配が強化された」との認識が広がっている点だ。

何処をどうすればそうなるのかサッパリ分らない。実効支配とは「ある政権が領域を占拠し、実態の上で統治していると主張していること/支配権を主張する現地に実際に軍隊などを駐留させている場合など」(リンク先のウィキペディア2012-09-15 23:31:47からの引用)を指すからだ。国有化で実効支配が強化されるものなら、中国も一度民間に払い下げて国有化したら、どうなのか。そんな紙のやり取りで実効支配が強化されるなら苦労はしない。そうではなく、実際の島の利用こそが実効支配の強化なのであって、韓国が必死で島の利用をしているのも要するにそういうことだ(ただし、韓国の利用は紛争発生以後であるため、法的には意味を成さない/日本の過去の実効支配(島の利用)は紛争発生以前であるため有効で、日本の領有を認めた中国に法的に領有を主張する権利は無い)。

中国人は勘違いをしているだろう。日本が実効支配の強化(島の利用)をしなければならないのは正統性の確保のためではない。元々日本の土地なのだ(中国もかつてそれを認めてきた)。漁船体当たり事件に見るような中国の暴挙(中国の力による強奪)を警戒しての策ということだ。無人なら元々中国のものだと国際社会に強弁して、盗むことも可能だが、実効支配(出来れば有人化)があれば、中国の強奪のハードルは明らかに上がる。つまり国際社会に対する正当化が困難になる。加えて大体が日本の領土なのだ。土地を持っていても利用出来なければ意味が無い。要するにそういうことだ。韓国人は武力占拠(竹島強奪)して抗議されても、居座れば(実効支配すれば)、正統性が確保できると考えているようだが、そうではない。ちなみに尖閣が中国の領土だったことは一度も無い(中国の歴史書・地理書を見れば分る)し、日本が尖閣を中国領と認めたことも一度も無い(逆ならある)。

島の利用こそが実効支配ということなのであって、国有化そのものと実効支配は関係ない(あると思うなら、中国でジャンジャンペーパーのやり取りでもすれば良い)。何かを勘違いしているから、日本と口で勝負する前に自分を見つめ直した方がいいだろう。

>日本政府の国有化決定は、胡錦濤国家主席が野田佳彦首相とロシアでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で会談した直後に明らかになった。中国国内の保守派は「弱腰外交のツケだ」と胡政権の外交政策を批判、メンツがつぶされた形となった。

APEC後にしたのは、推測するに、中国がAPECで騒ぐことを警戒したためだろう。直後になったのは恐らく偶然だ。日本でもそれなりに騒動になっているのだから、発表しないわけにはいかない。中国では結構隠せるのかもしれないが。

リンク先の記事には「奪ったゴルフクラブで日本料理店を襲う、暴徒化した反日デモの参加者」の写真があるが、本当にこれは酷い。日本は元々日本の土地で所有権の移動をしただけで、特に何をしたということはない。在中の日系はもっと何もしていない。勘違い(日本は実効支配を強化していない/「強硬な都に渡る」のを防ぐために国が買っただけ)を元に(ほとんど)関係ない人・物を襲うのを最低という。

基本用語(実効支配)すら理解しているフシがない相手を説得するというのも大層骨が折れる話だが、粘り強くやるしかないのだろう。そうでなくては、強引に押し切られてしまう。勿論、その前に奪われないよう、実効支配の強化が待たれるのは言うまでもない。