風とみどりに! 

風の訪れる庭、みどりに戯れる日々の記録

福島レポート2017(かしまの一本松)

2017-06-13 | 東日本大震災
「奇跡の一本松」といえば、モニュメントになった岩手県陸前高田市が有名だが、
南相馬市鹿島区にも東日本大震災の津波に耐えた「かしまの一本松」があります。
あの津波で何もかも無くなった海辺に、ポツンと立っている木は、
高さ約25メートル、根回り約2メートル。
今は葉も無く、幹は傷でボロボロ、もうすでに枯れてしまっています。
震災前は海辺の集落を守るように数万本もの松林があったというが、
震災で集落は流失、54人が犠牲となる壊滅的な被害を受けました。
地元の人々の希望の一本松、大切に見守ってきたが、
防潮堤防が壊れ、海が荒れると一本松も海水に浸され命つきてしまった。
堤防の再建工事やかさ上げ工事のために伐採が決まったようです。

でも、一本松のまつぼっくりから小さい芽が育っているそうです、
この子孫たちが、逞しい松に育ち、集落を守る林となることを祈ります。

何もない広大な土地にソーラー発電の設備が拡がっていきます。
一本松はどんな思いでこの光景を見ているのでしょうか?

Google マップのストリートビューで「かしまの一本松」を検索すると、
もう少し元気だった頃の様子が見えます。

かしま福幸商店街、
移転や店じまいで、営業店も少なくなり、
復興商店もその役目を終えようとしているようです。

鹿島区の勝縁寺さんのお堂をお借りし、私達の仲間「退職者の会福島支部」の方達に
震災時、そして今の様子をお聴きしました。
自宅に避難者を受入れた時のこと、
差別や不安に苦しむ避難者の心情、

除染、廃棄物の処理のこと、
空き家を荒らす盗人たちのこと、

街灯は新しくなり輝いているが、家の灯りの増えていかない町、
子供や孫の事を思うと戻れない人々のこと、
話は尽きません。

この地で困難に立ち向かっている人の生の声、
年月を経て、淡々と語れる彼らに、
聴いている私の方が胸が詰まってきます。



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福島レポート2017(除染情報プラザ、飯館村)

2017-06-13 | 東日本大震災
東日本大震災、福島第一原発事故から7年目の福島を訪ねました。
福島駅そばの「除染情報プラザ」からスタートです。
ここは除染や放射線に関する最新情報を伝える拠点、

放射線の測定を、実際の機器を使って体験できるコーナー、
この場所は0.05μ㏜/h(マイクロシーベルト)でした。

除染作業の様子伝える模型、

除染や放射線に関する疑問をわかりやすく解説した、まんが「なすびのギモン」
放射能について勉強不足を反省させれれるコーナーでした。

川俣町から飯館村へと車を走らせました。
緑の山々がきれいな村、でも悲しい光景です。
目につくのは、黒く大きい土のうの山、袋を覆うシート。
除染により取りのぞいた除去物を積みあげた仮置き場がいたるところにあるのです。
飯館村の仮置き場は96か所、約233万個の袋のうち
焼却場や中間貯蔵施設へ移された袋は5%に過ぎないのです。(除染情報プラザ資料より)
民家や田畑はきれいに除染されていますが、隣接する山林はまだ・・・。

「もりの駅まごころ」には
「リアルタイム線量測定システム」が設置されています。
0.421μ㏜/h(マイクロシーベルト)

福島第一原発から50キロも離れた飯館村、
水素爆発のあった3月12日、この村に避難所が設けられました。
しかし、風はこの村に悪魔を運んだのです。

情報が行き届かない怖さ、
全村避難となったのは事故から1か月以上経った4月22日でした。
コメント (2)
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