自分の納得のカタチを、自分で見つけること。
子どもの時しか味わえない「子どもの時間」をたっぷりかけて、
自分でゆっくり確かめること。
家族のなかで、
自然のなかで、
みんなの暮らす社会のなかで、
つながりあっているすべてのものに、なじんでいくこと。
世界と自分との折り合える感触を、ひとつひとつ手に入れること。
そのための長い時間を、「こだわりの溶ける時間」といいます。
その時間は、子どもが「子どもの時間」を生きる時間のことで、
誰もが通り過ぎてきた日々の別名にすぎません。
その時間の過ごし方が、人からはわがままに見えたり、
何も分かっていないように見えたりすることがあります。
かわいそうなたたずまい、無駄な時間と見る人もいます。
でも、「赤ちゃんの時間」や「胎児の時間」の意味を、
大人は、みんな忘れています。
他人には「わからない」ことでも、
その子どもにとってはどれほど「大切な時間」であるか。
それを忘れてしまったら、
子どもへの本当の思いやりをもつことはできません。
他人には「わからない」ことこそが、他の誰とも違う個性をもった、
たった一人の子どもであることの証なのですから。
だから、「障害の理解」という言葉も、
本当の思いやりを持ちたいと願う人には、なじめない言葉です。
必要なのは、「障害の理解」ではありません。
いつだって、「その子」を理解することです。
いえ、理解の前に、ただ「受けとめる」ことです。
そこから、その子との出会いが始まるのですから。
「理解」とはお互いのこと。
「関係」とはお互いのこと。
子どもと出会い、お互いになじみあうこと。
そのためにかかる時間を、
お互いに「こだわりの溶ける時間」といいます。
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