「キリマンジャロの雪」という映画を観ました。
ヘミングウェイのでなく、最近のフランス映画です。
映画の話というよりは、わたしの妄想?をメモしておきます。
自分が何を探してきたのか、少し分かったような気がしたので…。
◇
A・強盗にあったショック・トラウマ
B・犯人を憎むこと、罰を求めること
そのどちらも、心の苦しみとしてあり続ける。
A・忘れられない・ことで相手に密接に縛られ、恐怖の感情に囚われること
B・憎むことで、相手に縛られ、恐怖の感情に支配されること
それとは違う道、違う行き方は。
忘れられない記憶からゆるやかに遠ざかる道は。
心を満たす憎しみという感情を、おだやかに沈める重しは。
どうしても逃れらない苦しみを、和らげるものは。
憎しみ、怒り、のとなりにある、人にやさしくありたいおもい。
でも、それを思い出したら、この憎しみは守れない。この怒りが守れない。
だから、憎みつづける。怒りつづける。
そうじゃなきゃ、あのとき抵抗できず恐怖に怯えた無力なわたしを、
いまのわたしが忘れたら、あまりにかわいそうすぎる。
わたしが守ってあげなきゃ、誰が私のあの恐怖を、助けてほしいという叫びを、誰が聞いてくれる。
誰が覚えていてくれる。
誰も知らない。
わたしの叫びが、わたしの願いが、わたしのこころが、なかったことになってしまう。
いいえ、あなたはもともと憎む人じゃない。
あなたは人間を憎むより、人にやさしくありたいみちを歩いてきた。
「してあげる」ではなく、
「あわれみ」ではなく、
まして「どうとく」とは別のはなし。
わたしが、いちばん苦しかったときに願ったものを、自分へ。
わたしが、いちばん未熟で無力だったときに手をのばしたおもいに耳をかたむけて。
自分へ。
わたしのため。
自分のため。
ゆうたの声やあずの声、幾人かの子どもの声がきこえる。
それから、幼かったころの自分の声が遠くにきこえる。
「………ありがと…」
◇
キリマンジャロの雪 (2011年・フランス)
出演:「クレールの刺繍」のアリアンヌ・アスカリッド、
「ル・アーヴルの靴みがき」のジャン=ピエール・ダルッサン。
監督・脚本:「幼なじみ」のロベール・ゲディギャン。
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