面白すぎて先が読めない文章(その5)
《専門家のなかの素人》
…この問題をさらに困難にするのは、
第一に、心理学や精神医学の専門家が、仮に、「子どもの能力」「発達の状態」を、客観的に測定できたとしても、
【能力は具体的な課題との関係で決まるので、具体的な課題の内容をよく知っていなければ、その課題を解決する力があるかどうかは判断できない。】!!!
具体的な課題とは、何か。
障害のある子どもが、ふつう学級で生活するために、必要な援助は何か。
障害のある子どもが、ふつう学級で、最初にとまどうこと、困っているのはどんなことか。
ひらがなが読めなくても、ことばが話せなくても、ふつう学級でみんなと一緒に生活するには、どういう条件が必要なのか。
(もちろん、子どもの能力以外のことで)
「ふつう学級でやれるかどうか」は、その専門家が、
「ふつう学級の一年生の一年間の学校生活」がどのようなものであるかを知らなければ判定のしようがない。
【しかし、具体的な課題は心理学や精神医学の専門性の外にあるので、能力判定の半分は常に構造的に素人的な推測に基づくことになってしまう。】
ああ、そうか。
今まで40年近く、専門家、専門家、という言葉に、信頼がおけなかったのは、これが理由だったんだ。
専門家の「検査方法」や「実験方法」は、「専門的」かもしれないけど、
あなたの「子ども理解」は、まったくの「しろうと」だということだった。
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