【業務連絡メモ】
《「一緒がいいならなぜ」を解く》②
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『就学相談いろはカルタ』の一番目。
《い》【一緒がいいならなぜ分けた】
(解説)「20世紀の名言」の一つ。北村小夜さんが伝えてくれた子どもの声。
特殊学級に分けておいて、「みんなと一緒の方が楽しいでしょ」と「交流」を勧める先生に、中学生が返した声。「一緒がいいならなぜ分けた」。
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「一緒がいいならなぜ分けた」は、「今すぐふつう学級に戻してくれ」ではなかった。
同じ教室に返せば、元に戻れるか? そんな訳がない。
一度分けた記憶、分けられた神経プロフィールは一生消えない。
分けられた子どもの、《1車線》と《4車線》の葛藤が聴こえる。
「一度手放した時間とつながりは、取り戻すことができるのか?」。
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みんなと一緒にいたかった。その《1車線の考え》はずっと頭の隅にあった。
でも中学生の最後になって、文化祭だけ元のクラスに戻っていいと言われても。
「同じ学校の生徒なんだから、一緒にやった方が楽しいでしょ」
はあ? こっちは、ずっと分けられた身で生きてきたんだ。
意地を張るな? そんなに素直な子だったら分けられなかったし、その意地のおかげで一人になっても自分でいられた。自分の意地だけが、自分によりそい守ってくれた。これも大事な自分だ。
みんなとは違う自分になっても、ずっと味方でいてくれた「おれの勇者」。
そうしていくつもの季節が廻り、こんなに遠いところまできたんだ。
廊下を歩けばすぐに戻れる、っていうわけにはいかないんだよ。
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そんな声が押し寄せてくる。
分けられた自分が、分けられた自分ままで。
分けられたことをなしにして、じゃなく。
分けられた自分の、そのように見られ、扱われた、現実の社会のなかで、それでも切れないつながりはあるか?
彼が訴えていたのは、「どうしたら、つながりを取り戻せるか?」ではなかったか。
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