【業務連絡メモ】④
《お母さんが泣かないところがいい・Ⅱ》
「お願い、お母さんを助けてあげて。私はお母さんが泣かないところがいい」。
それは子どもの本心に聞こえる。何も分からず選んでいるのではない。
幼稚園のみんなが行く所を知っている。療育のお友だちの行く所を知っている。
その上で、どこが「お母さんの泣かないところか」を探る表情がある。
その表情はどの子も、似ている。
時代を超えて、似ている。
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「幼稚園はたのしい?」
うなずく。仲良しの友だちがいるという。
「そう、じゃあみんなと一緒に一年生になるのもたのしみだね」
その子は、お母さんの顔を見上げる。お母さんがうなずくと、その子もうなずく。
「だいじょうぶ。あなたが笑顔でいられる場所が、お母さんの泣かない場所なんだよ」
「あなたのお医者さんがお母さんを助けてくれたように、学校のことは私たちが助けるから。お母さんのことは心配しなくて大丈夫」
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そのことを「言葉」ではなく、その子からみえる「安全な親の表情」を通して伝える。
私たちの就学相談会は、その「安全なつながり」を伝える場所だった。