ようこそ就園・就学相談会へ 2017(その1)
《ホームと就学相談会のこと》
今週末にホームのことを話す会がある。
その準備をしているあいだは、「ホームの子」のことでいっぱいになる。
でも「就学相談会」の日程も決まりつつあるので、「ふつう学級の子」も時々、顔を出す。
そのうち、ふと、私がいまここでこうしているのは、どちらにしても子どもたちのおかげだという思いが重なり合う。
ホームの仕事、就学相談会を続けることを、私に可能にしているものは一つ。
それは子どもへの畏敬の念。
虐待の寂しさに耐え、あるいは差別の寂しさに耐え、そこから「ふつうの生活」をつづけるためのひたむきな努力、そして無条件の肯定を信じる心、その子どもたちの思いへの畏敬の念こそが、私を支えている。
就学相談会で、私がふつう学級の話を続けてこれたのは、私自身が出会ってきた「子どもの表情」、「子どものことば」が根拠だった。
でも、ホームで「信頼できる親」「安心をくれる親」に出会えなかった子どもと暮らしていると、もう一つの確かな理由があったと分かる。
それは「親の覚悟」だった。
言葉が話せないとか、歩けないとか、呼吸器が必要とか、発達障害があるとか、そんな違いがあったとして、子どもが子どもがであるかぎり、どんな形であれつながりと安心と仲間を必要とする。
なにより、目の前で子どもが、無条件に仲間を信じて求めている。その姿を見て、感じてしまった親が、医師や校長や教育委員会に逆らってでも、みんなと一緒にいることを守りたいという覚悟。
そういう親がいて初めて、私は相談会を続けてこれたのだった。
「子どもの表情」「子どものことば」「子どもを信じる親の覚悟」
ホームにも、私の仕事を支える「子どもの表情」「子どものことば」が確かにある。
だから、障害のあるふつうの子どもたちと同じように、今までと同じやり方でいいのだと分かる。
ただ、「就学相談会」にあって、ホームにないもの。
それは、「親の覚悟」だ。
だから、私が引き受けなければならないのは「親の覚悟」だ。
親の代わりにはなれないし、できるはずもない。
だけど、もしこの子たちが6才なら、私はこの子たちをふつう学級に行かせてあげることができる。
その自信ならある。
その覚悟なら、この30年余り、毎年のように見せてもらってきた。
◇
という訳で、いま決まっている今年の相談会の予定。
《障害児の高校進学相談会》
2017年5月14日(日曜日)千葉市・きぼーる
《ふつう学級のための就学・就園 相談会》
2017年6月25日(日曜日)柏市・パレット柏
2017年7月9日(日曜日)千葉市・きぼーる
2017年9月(予定)
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