山田泉さんのブログから。
2008年10月15日
≪あの子の瞳が忘れられない≫
リレーフオライフで講演したあと、
いつものようにサインをしながら本を売っていたら、
ポニョの主題歌を歌っているようなカワイイ女の子が、
お父さんに手を引かれて、私の前に現れました。
じっとこちらを見ているのでハッとしたら、
お父さんがこうおっしゃいました。
「妻が…今年の夏にがんで亡くなりました。
小さな子どもが4人います。
今日は…ありがとうございました。」
ゆっくりと、そう言ったとたん言葉を詰まらせて、涙ぐんでいました。
お母さんとお別れしたばかりの女の子。
私は、なんて言葉をかけたらいいのか戸惑いました。
「あのね、お母さんは、目には見えないけれど、
ずっとあなたと一緒に生きているんだよ」と、
やっと一言いました。
今でも、あの子の少し悲しげな、
深い色の瞳を思い出し、涙がこぼれます。
お父さん、やさしそうな方でした。
私にも二人の子どもがいます。
子どもと言っても、22歳と20歳です。
二人ともたまたま私から生まれましたが、別々の人で(あたりまえ)、
それぞれの人生を歩んでいるイイ感じの若者です。
二人とも大学生なのですが、カズは京都で、映画大好きの個性派。
マミは鹿児島で、笑顔で人とつきあえるカワイイ派。
母親がこんなふうだから、二人とも、
世の中の常識が何なのかわからず大きくなったんだと思うけれど、
今は、いろんな人に出会って、
それなりに楽しく生きているようだから、
それで十分。
私が、子どもに望むことは、
寿命までご飯を食べて、
生きられるだけ生きてくれること。
それだけで幸せ。
体調がイマイチ思わしくなく、
今日から2週間、抗がん剤投与をお休みすることになりました。
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