(前回のつづき)
そんなことはありません。
私たちは、毎年、幼稚園、保育園で楽しく生活している
5~6才の子どもたちに出会います。
その子どもたちは、当たり前に地域の小学校に入学して、
楽しくふつうの学校生活を送っています。
新一年生の入学式の様子や、
学校生活の様子を聞くことは、私たちの毎年の喜びの一つです。
障害児の中の「ふつうの子ども」を見つけてくれる先生はいっぱいいます。
「障害児」とつきあうのは苦手でも、
「障害児」にどんな教育をすればいいのか分からなくても、
「専門家」なら自分よりちゃんと
教えてあげられるんじゃないかと迷いながらも、
その子の中の、「ふつうの子ども」を見つけてくれる先生がいます。
考えてみれば、そういう先生は、「障害児」をあまり知らず、
ふつうの子どもたちしか知らないから、
「障害児」のなかの「ふつうの子ども」を見つけるのが
うまいのかもしれません。
私たちは、そうしたふつうの日常が
どれほど子どもたちの生活を豊かにするかを知っています。
だから、そんなステキな出会いをなしにするのはもったいないと思います。
そして、私たちは、毎年、小学校に入学する子どもたちに出会う一方で、
9年前に小学校に入学した子どもたちが、
「こうこういく」という言葉を、毎年耳にします。
それぞれに、様々な障害や病気を抱えたまま、
普通学級で「できないこと」はいっぱいのまま中学生になり、
そして、「できないこと」がある姿のまま、高校生になる子どもたちに、
毎年、毎年、会い続けています。
たとえ、テストの点数は0点や10点でも、
高校に通い、自信を持って、
堂々と障害をもった姿で生きている子どもたちを知っています。
そうした日常が可能かどうか、実現するかどうかは、
子どもの障害の種類や程度の問題ではありません。
受けとめる側の、私たち大人の問題なのです。
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