パクリチコ④
「ねぇねぇさとう、子どものころはどんな子だった? 勉強はできた?」
「保育園のころは女の敵、かな」
「女の敵~、それってモテた自慢?」
「反対だよ。おれのせいで登園拒否になった子が何人もいたんだって」
「へー、どうしたらそんなに嫌われるの?」
「それが、覚えてないんだよねー」
「子どものころからボーっと生きてたのね。そんなことより、勉強はできたの?」
「先生の言うことを聞かな過ぎて、ふつう学級を追い出されそうになった…」
「ほんとにボーっと生きてたのね(-。-)y-゜゜゜」
「……」

「じゃあさ、勉強できなかったさとうに聞くけど、《分からない授業はかわいそう》って言う大人がいるでしょ?」
「うん、いるね。先生でも親でも言うね」
「どうして? 授業が分からないと、どうしてかわいそうなの?」
「それはぁ…、授業が分からないとつまんないからじゃないの」
「授業がつまらないのって、子どものせい?」
「え?」
「授業が分からないと、つまらないって言ったでしょ。」
「うん…」
「だから、授業がつまらないのって、誰のせいなの?」
「だれのせいって、授業をしてるのは先生だから…」
「そう。つまらない授業をしてるのは先生の方なのに、どうして子どもがかわいそうって言われて、しかも追い出されたりするの?」
「言われてみれば、そんな気もするけど…ほんとにどうしてだろね?」
「ボーっと生きてんじゃねーよ!!」


