《通級を語るために確認しておきたい大切なこと》
(最初のメモ・01)
今回、名古屋でのテーマ「大切なこと」を考えていたら、Kさんのことを思い出した。
どうしてKさんことを…と考えているうちに、Kさんが「通級」に「だまされた」という言葉に、ちゃんと応えていなかったことに気がついた。
申し訳なかったと謝るだけじゃなく、通級に反対というだけじゃなく、
たぶん今も「だまされる結果」が待っている親子が、たくさんいるのだから、わたしが書けることを書いておこうと思った。
あの時、彼の通級に、足りなかったもの。
通級をするなら、誰か教師が把握しておかなければいけないこと。
30年前の、彼とお母さんの「通級」を思いだしながら。
ひとりの子どもに、一日、何時間か。週に一日、二日か。「通級」をさせるとき、担任および学年の先生が、必ず共通理解しておくべきこと。
そして、親子にちゃんと説明できるべき事柄について。
① いまいるクラスが楽しくて自分の居場所がちゃんとあれば、通級に行きたい子は誰もいないということ。そういう子どもの思いを、まず分かっていること。
② それでも、通級に行くと本人が言うとき、その子どもの思いを、いくつ思い浮かべることができるか。
③ そのクラスの担任は、その子を、クラスの大事な一員だと考えているか。
それとも、自分の力量では持てあましていて、誰か専門家なら、もっとこの子に上手に教えることができるんじゃないかと考えているのか。
通級は、その子の事情なのか、教師の力量の事情なのか、それをちゃんと分けて考える分別があるか。
④ 通級にでかける理由はどちらであれ、だれか一人が通級しているとき、クラスの他の子どもたちに、籍と席がある限りはこのクラスの一員であり、いつでも気軽に戻れる安心と、クラス全体の雰囲気を配慮できているか。
⑤ クラスに、その子をいじめたり、いなくなってほしいと感じている子どもがいるかどうかを、担任は把握できているか。
⑥ その子は、クラスの中で、どんなポジションにいるのか。
⑦ 担任は、その子の感情を受け止めて、なお「通級」から帰ってくる子を守る力量が自分にあるかと問うているか。
⑧ 通級で、その子の学力があがると考えているか。
⑨ 通級の結果、どれくらいの期間で、その子がクラスに戻れると、考えているか。
⑩ 通級で、その子のコミュニケーションスキルがどれくらいあがると考えているか。
⑪ 通級の目的と限界と、現実的な一年後の子どもの状況を思い浮かべることができているか。
⑫ その現実を、親は理解しているか。
それを親と話し合う関係ができているか。
・・・とりあえず、思いついたこと。
(以下、つづく)
※ 名古屋から帰ってきて、自分の中に勝手に宿題が山積みなので、とりあえず、まとまらないメモも「宿題」としてメモしておきます。
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