ワニなつノート

ヘルパーって何?


ヘルパーって何?

「ワニたこ」がずっと夏休みなので、
岩ちゃんから、「たこの木」の原稿依頼がきました(o|o)

そのタイトルが「ヘルパーって何?」
「そんなの、おれだって分かんないさね。」と思いました。
ヘルパーの資格もないし、
そもそも本当にヘルパーの仕事の範囲もよく分かっていません。

でも、私に書けって言うんだから、
そんなにヘルパーにこだわらなくていいんだろうな~、
と勝手に思いながら、書きたいことを書いてみました。

3本くらい、書いてみたのですが、
B5で1枚という分量は微妙で、
何をどう書いていいか分からず、
結局、締め切りを過ぎて、
困って書いたのが、以下の文章です(^_-)-☆

「ヘルパーって何?」って何?って感じです。


☆    ☆    ☆    ☆


私は、「障害のあるふつうの子ども」の苦労の中身に
耳を傾けることが、一番大切なことだと思ってきました。
でも、そう考える人は多くないようです。

子どもに話を聞く前に、
「障害児」への偏見や差別は「わかっている」と思い、
また子どもに聞いても
ちゃんと説明できる訳ではないと考えた時点で、
「差別する人たちのことをいつまでも気にしていても仕方ない、
それよりも、障害があってもがんばって努力すれば、
認めてくれる人はいるからがんばろう」
といった話に移行していきます。

しかし、それは意図しなくとも、子どもに
「あなたの話は聞くまでもない」
「あなたの話はわからない」という拒絶を
伝えることになってしまいます。

そのような当惑による無視の態度は、子どもに、
自分の体験したことはわかってもらえないという事実を伝えます。

すでに、その子は、自分の心のなかで、
分けられるのは自分に悪いところがあるからと、考えています。

仲間外れにされる辛さを、思い出さないように、
忘れようと努めています。
でも、忘れようとしても、ふと思い出して、苦しくなる。

その子どもの苦しみを、ちゃんと受けとめる人がいなければ、
その子どもは、何度もその苦しみを
自分のなかで繰り返すしかありません。

そして、いつまでも昔のことを気にして
前向きになれないことも、
自分の障害のせいだと、間違いを重ねていくのです。

その子どもは、
「ぼくが何を言っても無駄。
ぼくのいうことを真に受けてくれる人はいなかった」
という無力感を、繰り返し感じます。

「あのときもそうだった。
ぼくは、幼稚園の友だちと一緒の学校に行きたかったのに、
『しょうがい』があるから、ぼくはバスに乗って、
みんなとは違う学校に行くしかなかった。」

「ぼくが何を言っても、聞いてくれる大人はいない」

            ☆

ヘルパーとは何か?
ヘルパーとは、この社会が、
「ヘルパー」を必要とする子どもや大人、老人を、
どのように扱ってきたかを、
知っている人であってほしいと思います。

なぜ、この社会は、
「ヘルプ」を必要とする人を「分けて」きたのか、
なぜその教育は、「分けなければ」できなかったのか。

なぜ、今も「分けてから」でないと支援しないのか。
そのことを考える人であってほしいと思います。

自分たちが暮らしている社会や学校が、
障害のある子どもに、どれほど無慈悲な扱いを
しているかを認めるのは苦痛なことです。

でも、それを知ることで、
「学校はそもそも誰のためにあるのか?」、
「学校の主人公は誰なのか?」、
そして「先生の人間性や常識」にも
いくつもの疑問がわいてきます。

その疑問の答えを知るために、
ヘルパーを必要とする当事者の声を
聞き続ける人であってほしいと思います。

障害をもつふつうの子どもの苦労のうちの、
どれが、「人の壁」(偏見や差別)によるものなのか。

どれが、社会の壁・教育の壁
(制度の不備、合理的配慮の不備)
によるものだったのか。

そうしたことを知るために、
一人の人の言葉にちゃんと耳を傾けることの
できる人であってほしいと思います。
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