《この国のどこかに》
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「私の事業所にも貼ってあるよ」
「タイトルは?」
「さぁ?」
「じゃあ、写真送ってよ」
放課後等デイサービスや居宅訪問型児童発達支援などを行っている事業所に、これが貼ってあるという。
へーー。いいことば。
ここに通う子どもたちは安心だね。
◆ ◆ ◆ ◆
そこに対話があれば、直そうとは思わない。
子どもと対話していたら、直そうという考えは浮かばない。
ただ、子どものなぜに答え、子どもの知りたいこと、やってみたいことに応えるだけ。
子どもと対話していれば、子どもの楽しみ、あこがれ、学びたい世界を、子どもが教えてくれる。
この子の「できる姿」は、他の子とは別の形かもしれない。
この子の「学び」を探すにはどうすればいいか。
この子は、私の言葉では話してくれない。
でも、私は、この子と話したい。
ではどうすればいいか。
この子に聞くしかない。
誰かの「できる姿」と、この子の「できない姿」を比べてもこの子の「学び」は分からない。
「できる姿」の教育しか知らなかったのは、子どもと対話することを知らなかったからで、この子の障害のせいではない。