ワニなつノート

「2学期からふつう学級に行くよ。親の付き添いはしないから、よろしくね」の要望書(その2)


「2学期からふつう学級に行くよ。親の付き添いはしないから、よろしくね」の要望書
(その2)



     

10日に「要望書」を出した時、教育委員会の人は「ちゃんと回答します」と答えた。
提出確認として、「受理印」のコピーを求めると、「こういう場を設定して、話し合っているのだから、受け取らないなんてことは絶対にありません。そこは信頼していただいて。期日(1週間後)は間に合わないかもしれないが、必ず書面で回答致します。」と答えた。


あれから一週間。

「校長とお母さんの二人だけで話してからでないと回答は出せません」と言ってきた。しかも「会とは話し合いはしません」。


30年前のいくつかの市教委の対応を思い出す。

この30年、S市教委には一度も要望書を出したことがないので、もしかしたらとは思ったが、本当に「時代」が凍ったままの地域があることを知る。


         □


昨日、お母さんと高村さんと一緒に県教委を回ってきた。

教育指導課と教職員課と、ふだんは近寄らない特別支援教育課とも話をしてきた。


《入学前の2月に、「授業は1時間」「母親の付き添い」が決められたこと。
5月。給食が始まるが、授業は1時間と決められているので4時間目から登校。子どもは朝からランドセルを背負って学校に行きたがっているのに、11時過ぎまで待たせなければいけないこと。
一学期の間、前向きな話がなく、支援学校への転校を求められていること。だから、「みんなと同じ学校生活を送れるように」要望書を出さざるを得ないところまで追いつめらたこと。
この期に及んで、「母親としか話さない」という市教委の対応は納得しがたい。》


       □

どの課の人も、少し驚いている顔だった。立場上、言えないこともあるようだったが、「子どもが2学期から学校に行けるようにしたい」という対応は、母親に対してちゃんと誠意ある対応だった。

だから、県の特別支援教育課も教育指導課もすぐに動いてくれた。

昨日のうちに、特別支援教育課から市教委に、話し合いの仕方について要望を伝えてくれたようだが、市教委は「母親だけ」しか話さないとくり返したという。

教育指導課からは、南房総教育事務所の指導室長に情報共有の連絡をしてもらった。そして今日、課長に確認して、市教委に問い合わせをしてくれるらしい。
(この課長は、今年「定員内不合格を出さないように」の通知を出してくれた人。)


       □


市立小学校のことなので、県教委に行って話がつくわけでないのは分かっている。ただ、この問題の反応を知りたかったし、この問題の「現在地」を知りたかった。

なにより、県教委に真摯に話を聞いてもらい、子どもと親の願いが当たり前のことであることを、当事者である母親に感じてほしかった。


転籍が2学期に間に合うかどうかは分からない。

でも、母親は、このままでは子どもを学校に行かせる気持ちにはならないという。

学校と教育委員会への不信感と不安感はそれほど強い。その一方で、ここでがんばれば「他の子どもと同じ、一日の学校生活を贈ることができる」という希望はある。
S市の対応が異常なのだ。


          □


この一年、不本意なことがありながらも我慢してきたのは「子どものため」であり、教育委員会も学校も「子どものことを考えて」こその話だと、そう思ってきたからだった。

そうして、子どものためと信じて一年間耐えてきた思いが裏切られたのだから、今度こそ、ちゃんと子どもを守りたいという親の思いは、子どもにとってかけがえがない。
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