【SCENE4 子どもを遊ぶ】
「友だちと遊びたいんだよ。」
「みんなみたいに上手にドッジボールをやりたいんだよ」
「みんなみたいに100点とってみたいんだよ」
それは正直な気持ちだと思う。
あこがれだと思う。
子どもが、みんなの持っているものを欲しがるのは当たり前のこと。
バカにされたり、仲間はずれにされないで、
仲良くできる友だちがほしかったのだ。
100点をとって、得意顔で「やったぁ~~!」と
飛び上がってみたいのだ。
「すげー」ってみんなにソンケーのまなざしをあびてみたいのだ。
そう、みんなみたいに、生き生きと楽しそうに笑って、
友だちの輪のなかで生活したかったのだ。
「でも、ぼくはここではどうしてもうまくいかないんだよ。
だから、放課後の教室や、
テキオー教室だとほっとするんだ。
身構えなくいいんだよ。」
そうだよね。ほんとうは「ドッジボール」が上手になりたいんじゃなくて…。
ほんとうは「サッカー」がうまくなりたいんじゃなくて…。
さんすうで「100点」が取りたいんじゃないんだよね。
そうした言葉を使いながら、子どもが本当に言いたいのは、
ぼくは「子どもをあそぶ」がしたいんだということだった。
子どもの願いは、子どものあこがれは、
みんなと同じようにやってみたい。
「子どもをあそぶ」を上手になりたいのだ。
「友だちと肩をくんでつるむこと」をうまくなりたいのだ。
「学校帰りに、友だちをふざけながら、寄り道をしながら、
たわいないことで笑いながら、家に帰る道が楽しくてしかない」
そんな子どもの時間を生き生きと感じたいのだ。
それはともて難しいことであり、
とても簡単なことなのだ。
それは、教えてできることではない。
理解して、できるものとかでもない。
あこがれて、うまくいくときもあれば、あきらめるしかないこともある。
だから、だから、だから、普通学級という環境が大事なのだ。
授業という集団生活が大事なのだ。
クラスの子どもたち一人一人の、子どもらしさが大事なのだ。
誰も仲間はずれにしない雰囲気の集団であることが大事なのだ。
みんなが自由で、大事にされていて、
誰も仲間外れにしない雰囲気の集団であること。
ビクビクしなくていいこと。ギスギスしていないこと。
安心してがんばったり、安心して失敗できる場所と関係。
みんなにとって、そういう空間である教室、学校。
そんな民主的な集団、子どもらしい集団という環境がとても大切なのだ。
そこでは、トモダチを、アソビをうまくやりそこねた子どもも
いっしょにやった感覚が持てる世界なのだ。
たとえ誰かがそれを勘違いと呼ぶとしても、
それは大切な大切な勘違いなんだ。
無意識を豊かにする大切な勘違いなんだと私は思う。
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