自分の「呪い」を解くための100のメモ（54） 《つながりを聴く》

《つながりを聴く》

　　　　　　　　　　□

駅前で人とすれ違うとき、赤ちゃんの喃語とそれに反応する母親の笑い声が聞こえた。

あ、今聞こえたのは、「ひとつながりの声」だと思った。

 

「居るを聴く」とか、「つながりを聴く」というのは、難しい話じゃない。誰のものともいえない声やことばが、ひとつながりにあふれている世界がある。子どものころ、私たちはそういう声であふれた世界に居たことがある。

いつから、声を分けて聞くことしかできなくなったんだろう。