あーちゃんがいく （その５）

あーちゃんがいく　（その５）

《２月２日》

昨日は登校途中にBB弾の玉を拾うのに夢中で、
なかなか学校へ辿り着きませんでした。

子供って不思議ですね～。
大人の頭だと、家から学校まで大体○○メートルだから、
およそ○○分でつくだろう。
そうしてはじき出した時間にそう誤差は生じませんが、
子供にこうした計算は通用しないんだな～と、
いまさらながら感心しています。
私の頭ではじき出した時間から、
大幅に遅れて学校に到着しました。

休み時間になって、昇降口から子供たちが
校庭に向かって飛びだしていくところでした。

娘を知っている子は「おはよ～」と声をかけて
ビュン♪と走り去っていくのです。
道草をせかされて固い顔をしていた娘の口元が緩んで、
声をかけたさっきの子はもういないのだけど
「おはよ♪」と返して昇降口へ。

学校の中へ入れば廊下を走っていく子供にあわせて、
一緒に走って行ってしまいます。
掲示板や廊下の作品を眺める子がいれば一緒に眺めている娘(笑）

人にあまり関心を持っていなかった娘が、
こんなに人を意識しながら学校生活を送っているんですよね。

学校っておもしろいところだな。



《２月５日》

昨日は学年の「豆まき集会」があるということで、
参加させてやりたいな～という親の思いが強すぎて、
娘とケンカ（苦笑）

朝の会に間に合うように起こして、着々と準備を母は進めるけれど、
当の娘は動こうとしない。

パジャマから着替えるのに、
下着姿でストーブの前にうずくまって聞く耳は持たない。
時計と娘を交互に見ながら、
私の焦りと怒りのボルテージがどんどんあがっていく。

後ろに妙に冷めた自分もいて
「あ～あ～、逆効果ぢゃん！」と突込みが入る。


昨年の行事参加はボロボロで、この時期にあった公園探検と
遠足（それも追っかけ参加）と数えるほど。

そんな娘に、行事に参加できれば楽しいのに…と思う母。

結局１時間後に、私の思いのたけの文句を娘にぶつけ泣かして、
実力行使で服を着せた。

するとあっけなく気持ちスイッチを切り替えた娘が、
学校の準備を始め、歩いていくと終わってしまう…と
急いで車で学校へ。

気持ちいっぱいいっぱいになってしまって
泣き出してしまいそうな私に、
「泣かないの！」と慰めの言葉をかけたのは、
言うまでもないさっき怒られて私に泣かされた娘。

どっちが大人なんだか。
立場無いよな～ととてもバツが悪かった。


教室へ行くと空だった。
「ほら　終わっちゃう」と諦めの境地で黒板に目をやると、
１時間目は体育（汗）

集会は５時間目だった（滝汗）

あんなに焦ったのにぃ～～、
あんなに娘を叱りつけたのにぃ～～と力が抜けていく。


娘を早く学校へ送り出したい理由にはもう一つあった。
次女の学年の縄跳び大会があり、中学校の授業参観がある。
折角付き添いから開放されたのだから見に行ってやりたかった。
けれど次女の方は断念。

ギリギリまで仕事をして中学校へ。
まもなく卒業を迎える息子達は体育館で「感謝の集い」だった。
これまでの思い出写真をバックに、
クラス毎に歌を歌って父母にありがとうと感謝の言葉を添える。
予想外にウルウウルときてしまう。
あるクラスの歌った「YELL」。
暮れの紅白で聞いて以来。
耳に入ってくると泣けてしまう。
そういう曲もあるんだな。
クラス毎の懇談会でも感極まって涙・涙で、
この日は涙腺ゆるゆるだった。

　　　　◇

「明日は金曜日！がんばって学校へ行こうね～」
と娘に声をかけると
「学校は行かないよ！」と返す。

明日も朝のバトルが待っているのか？


　　　　□　　　　　□　　　　　□


この日の文章、久しぶりに読んだけど、
やっぱり、あーちゃんはいいなぁ。

「泣かないの！」

あーちゃんの言葉に、こっちがホロっときます(>_<)

そして、「学校は行かないよ！」は、
「今朝のお母さんはやさしくなかった！」
という言葉ですよね。

「お母さんのバカ！」とは言わない、
あーちゃんのやさしさとユーモアのセンス♪

この子を「知的障害」っていう人たちの、
なんというセンスの悪さ(o|o)